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【平成29年度 技術士第二次試験問題 建設部門 道路科目 Ⅲ-1】について考える【模範解答イメージあり】

技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。

 

 

問題文

 我が国の高速道路は、整備延長が着実に伸びている一方で、暫定2車線で整備されている区間も多く、ネットワークの脆弱性が指摘されている。この状況を踏まえて、以下の問いに答えよ。

(1)我が国の高速道路における車線数の現状と、暫定2車線による整備が進められてきた背景について述べよ。

(2)暫定2車線の高速道路において発生している課題について、多面的に述べよ。

(3)(2)の課題を解決するための方策と、それを進める上での留意点を述べよ。

 

問題文把握

まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。

今回の場合は問題文に沿って解答するだけですので

①現状、背景

②課題 (多面的に2つ以上)

③方策、留意点

の3つの項目に分類されるかと思います。

キーワードは特にないかと思います。

上記を無視した解答は仮に内容が優れていても減点対象になるかと思います。

 

論文構成としては

 

1.現状、背景

 〇〇〇

2.課題

(1)〇〇

(2)△△

(3)・・・(2つ以上であれば特に指定なし)

3.方策、留意点

(1)〇〇

 〇〇〇

 留意点として〇〇〇〇

(2)△△

 △△△

 留意点として△△△△

 

のような構成が一般的となります。

アンダーラインの有無や1.や(1)ではなく①や(a)のような表記で仕分けしても問題ありません。 

 

記述例

 

記述内容の例を簡単に記載しますと

(論文イメージであり、合格論文ではありませんのでご注意願います)

 

1.現状、背景

 我が国では4車線で整備を行う高速道路の一部について、さしあたり2車線の完成をもって供用を開始し、交通量の増加に応じ残りの2車線を完成する「暫定2車線」方式を活用してネットワークの形成を進めてきた。この方式は中央帯ではなくラバーポールなどの簡易物で往復の通行を区分する非分離式を採用していることもあって、初期費用を抑え工期を短くすることができる。この整備方式は積極的に活用されることとなったが、諸外国にも例を見ない特殊構造であった。

 我が国の高速道路の供用延長は約11,300kmだが、このうち約3割以上が暫定2車線区間となっている。特に無料区間に関しては約8割が暫定2車線区間となっており、この状態を長期間継続することによる問題点が多く見えてきている。

2.課題

(1)対面通行の安全性・信頼性

 暫定2車線構造はコスト縮減、工期短縮が見込まれるため積極的に活用し、早期道路ネットワーク構築には重要となる方法である。しかし、ラバーポールなどの簡易構造物で区分された対面通行の高速道路構造では事故が発生した時、対向車線に飛び出してしまう可能性が高い。飛び出し事故の約7割が死亡事故であり、重大事故になる確率が4車線以上の高速道路と比べ約2倍であり危険な道路構造とも言える。

 したがって、簡易構造物で区分された対面通行では安全性・信頼性が確保できないことが課題である。

(2)大規模災害時の対応

 道路の役割として災害時における避難路、支援物資を運搬するための運搬路、緊急医療機関へ搬送するための搬送路などがある。そのため、早く安く高速道路ネットワークを構築できる暫定2車線道路整備は積極的に活用したい方法である。しかし、片側1車線の道路構造では災害が発生した時、走行速度が低下するとともに、復旧工事時に通行止め又は片側通行規制が必要となり、早期復旧の妨げになる可能性が高い道路構造とも言える。

 したがって、片側1車線では大規模災害時に早期対応ができないことが課題である。

3.方策、留意点

(1)飛び出しにくい構造物構造

 安全性・信頼性を確保するのにあたって最も有効な方策は対向車線に飛び出しにくい構造物で区分する構造にすることである。なぜなら、事故を起こしても対向車線に飛び出さなかったら正面衝突が避けられ重大事故発生を抑制できるからである。

 具体的にはワイヤロープやガードレールなどの構造で区分すると対向車線への飛び出しを防ぐことができるとともに衝突時の衝撃も緩和できる。特にワイヤロープは比較的安く早く設置幅が少なくても可能なため、我が国の現状を考えると非常に有効である。

 留意点としては、ワイヤロープは土工部では容易に設置できるが、トンネル、橋梁区間は設置及び固定方法が困難である。対策としては、安全対策技術を公募するとともに早期に新技術を開発し対応することが必要である。

(2)4車線化の機動的な対応

 大規模災害に対応するにあたって最も有効な方策は4車線化へ機動的に対応することである。なぜなら、すべてを4車線化にするには費用も時間も莫大にかかり早期解決が困難だからである。

 具体的には付加車線を設置・追加することで早く安く効果的に対応することができる。また、交通状況をデータで把握するなど交通流シミュレーションを活用することでさらに効果が高くなる。

 留意点としては、対応箇所が多く効率的に対応できない可能性がある。対策としては、選択と集中で優先順位を決定し効率的に整備していくことである。リスクマネジメントを活用するとともに、土工部は比較的安価、インターチェンジなど合流部分は特に重要であることも認識しつつ、災害発生確率や被害規模も考慮して決定する。

(文字数オーバーにならないよう適当に文字数を調整する必要があります) 

 

まとめ

 

一番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。

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