技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。
問題文
道路空間や地域の価値向上に資する道路緑化の役割について説明せよ。また、道路緑化の計画及び設計段階における留意点を述べよ。
問題文把握
まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。
今回の場合は問題文に沿って解答するだけですので
①道路緑化の役割
②留意点
の2つの項目が無ければなりません。
上記以外で特に「キーワード」を意識して解答する必要はないかと思います。
「道路緑化」の知識を単純に確認しているだけです。
上記を無視した解答は仮に内容が優れていても減点されてしまいます。
論文構成としては
1.道路緑化の役割
〇〇〇〇〇
2.留意点
①〇〇
②△△
③・・・(個数指定なし)
のような構成が一般的となります。
アンダーラインの有無や1.や①ではなく(1)や(a)のような表記でも特に問題ありません。
記述例
記述内容の例を簡単に記載しますと
(あくまでも論文イメージです。知識向上のため、わざと多めに記述しています)
1.道路緑化の役割
(1)景観向上機能
①修景、②景観統合・調和、③遮蔽、④地域への愛着醸成に分類される諸機能が複合的に作用することにより、道路や沿道を含めた地域全体における良好な景観の向上を図る。
(2)環境保全機能
①沿道住民が生活の場となる生活環境、②道路周辺の野生動植物の生息及び生育空間となる自然環境、③地球温暖化やヒートアイランド対策が必要となる地球環境について求められる保全に寄与する。
(3)交通安全機能
①遮光、②視線誘導、③交通分離、④指標、⑤衝撃緩和に分類される諸機能により、安全で円滑な道路交通の確保に寄与する。
(4)緑陰形成機能
樹木の樹冠が上空を覆うことによって緑陰を形成し、道路利用者に通行時の他にも休息や休憩等の快適な空間を提供する
(5)防災機能
①道路周辺からの飛砂等による交通障害、②風雨等による侵食を防止する、③火災延焼、④建物倒壊などの機能がある。
2.留意点
①地域に求められる緑化の機能を考慮し、植栽地を適切に配置する。
②安全かつ円滑な交通の確保に努める。
③植栽地の意匠並びに樹木等の基本的な構成及び配置の決定にあたっては、気象条件、緑化等に関係する地域の計画との整合、沿道状況、美しい景観形成、想定される維持管理水準に留意する。
④保存の必要性が高い植物がある場合は、その存置や移植を検討する。
⑤高木を植栽する場合は、植栽しようとする樹種の成長特性等を理解の上、目標とする樹形、樹高を想定し、植栽する道路空間や維持管理水準に見合った樹種、植栽間隔とする。
⑥中・低木を植栽する場合は、供用後の枝葉の繁茂や剪定頻度等も考慮に入れ、交差点内の視距や横断歩道を横断している又は横断しようとする歩行者等の視認性、歩行者や車両の通行空間の確保に支障を生じないようする。
⑦植栽地において雑草の発生等が見込まれる場合は、地被植物等を植栽する。
⑧他の構造物の点検や維持修繕が困難となる場所は、植栽地としてはならない。また、樹木等の具体の構成や配置の決定にあたっては、樹木等の成長により他の構造物に影響が生じないよう留意する。
(文字数オーバーにならないよう適当に個数などを調整する必要があります)
まとめ
一番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。
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