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【平成28年度 技術士第二次試験問題 建設部門 道路科目 Ⅱ-1-4】について考える【模範解答イメージあり】

技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。

 

 

問題文

 

 地すべり対策工には大別して抑制工と抑止工がある。抑制工と抑止工について対策工法を各々1つずつ挙げ、それぞれの概要及び計画・設計上の留意点を述べよ。

 

問題文把握

 

まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。

今回の場合は問題文に沿って解答するだけですので

①抑制工の対策工法 1つだけ(個数指定)

②抑止工の対策工法 1つだけ(個数指定)

の2つの項目が無ければなりません。

上記以外で特に「キーワード」を意識して解答する必要はないかと思います。

「抑制工、抑止工」の知識を単純に確認しているだけです。

上記を無視した解答は仮に内容が優れていても減点されてしまいます。

 

論文構成としては

 

1.〇〇〇(抑制工の対策工法)

(1)概要

〇〇〇〇〇

(2)計画・設計上の留意点

〇〇〇〇〇

2.△△△(抑止工の対策工法)

(1)概要

△△△△△

(2)計画・設計上の留意点

△△△△△

 

のような構成が一般的となります。

アンダーラインの有無や1.や(1)ではなく①、(a)のような表記でも特に問題ありません。 

 

記述例

 

記述内容の例を簡単に記載しますと

(あくまでも論文イメージであり、合格論文ではありません)

(知識向上のため多めに記述しています)

 

1.横ボーリング工

 抑制工の対策工法の1つとして横ボーリング工を挙げる。

(1)概要

 横ボーリング工は、水平やや上向きに行ったボーリング孔にストレーナ加工した保孔管を挿入し、それによって地下水を排除することにより、すべり面に働く間隙水圧の低減や地すべり土塊の含水比を低下させる工法。

(2)計画・設計上の留意点

 効果的に地下水位を低下させるよう、設計に際しては地すべり地域のみならず、周辺の地形・地質及び地下水調査等から、帯水層の分布、地下水の流動層を推定して、最も効果的に集水できるようにボーリングの位置、本数、方向及び延長を決定する必要がある。また対策工効果を恒久的に持続するためには定期的なメンテナンスが重要となる。

 

(その他候補として)

・排土工

・押え盛土工

・集水井工

・水路工

・護岸工 など

2. アンカー

 抑止工の対策工法の1つとしてアンカー工を挙げる。

(1)概要

 アンカー工は、基盤内に定着させた鋼材の引張強さを利用して、地すべり滑動力に対抗しようとするもので、引き止め効果あるいは締め付け効果が効果的に発揮される地点に計画される。アンカーは基本的には、アンカー頭部(反力構造物を含む)、引張部及びアンカー定着部(アンカー体及び定着地盤)の3つの構成要素により成り立っており、アンカー頭部に作用した荷重を引張部を介して定着地盤に伝達することにより、反力構造物と地山とを一体化させて安定させる工法である。

(2)計画・設計上の留意点

・アンカー工法を設計するにあたっては、杭工、シャフト工等のアンカー工法以外の方法を含めて、安全性、経済性、および施工性などの面より十分な比較検討を行っておく必要がある。

・アンカー工法は、頭部の定着方式とテンドンの種類を中心としてこれらの材料及び技術が一連となった工法として製品化されているため、選定にあたってはいくつかの工法について使用目的や使用条件の観点から十分な比較検討を行う必要がある。

・アンカー自由長は、極端に短くなると構造物に地盤を通じてアンカー体から直接応力が作用し、地盤のせん断抵抗や土塊重量が小さく十分な引抜き抵抗力を得られなくなるなどの理由から最小長を原則として4mとする。

・アンカー定着部がすべり面より深部の不動層で堅固な岩盤に定着されるように自由長を設定する。定着長は原則として3m以上10m以下とされている。

・アンカー打設位置の近傍に地中埋設物、トンネルおよび杭等がある場合は、それらの構造物にアンカーの影響が及ばないよう十分考慮してアンカー傾角およびアンカー水平角を検討する。

・アンカーの傾角は、地形、地質および施工条件等を考慮して決定するが、アンカー施工上の問題から原則として水平より‐10°~+10°の範囲は避けるものとする。

・アンカーの設置間隔は、設計アンカー力、アンカー体径およびアンカー体定着長等のアンカー諸元と定着地盤の性状からの相互作用を考慮して決定する。

 

(その他候補として)

・シャフト工

・杭工

 

(文字数オーバーにならないよう適当に文字数を調整する必要があります) 

 

まとめ

 

一番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。

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