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【平成31年度 技術士第二次試験 受験申込書】についてアドバイス

※日程などは令和元年度試験用になっていますので間違わないでください

 

技術士第二次試験を受験する受験生を応援するために受験申込書のポイントを見ていきます。

 

 

 

 

日程表

 

受験申込書配布期間 平成31年4月1日(月)~4月24日(水)

受験申込受付期間  平成31年4月8日(月)~4月24日(水)

 

受験申込書の入手方法

 

①4月1日より「日本技術士会HP」からダウンロード

②日本技術士会へ郵送にて請求(詳細は日本技術士会HP参照)

③日本技術士会 各地域本部の窓口

の3通りがあります。

一般的には①のダウンロードしたPDFデータにパソコンなどで入力したものを提出します。

どの入手方法であっても様式は同じものです。

 

受験申込書の提出方法

 

平成31年4月8日(月)~4月24日(水)の期間に日本技術士会へ簡易書留で郵送(4月24日消印も有効)

②日本技術士会窓口に直接提出(※受領のみで内容審査は後日になると思います)

 

受験申込書の作成

 

全般

 

基本は試験案内に記載されている通りに行うだけです。

受験資格が3パターンありますので、どれを選択するかで様式が変わり、記載部分、記載内容、添付書類が変わります。

多くの受験者は経験7年で受験しますが、この場合は簡単なので悩むことはないかと思います。

それ以外の場合は少し複雑になります。

試験案内を読んでもピンとこなかった場合は、周囲の経験者に聞くのがベストです。

間違ったまま申し込むと受理されないか、最悪のパターンは最終試験(口頭試験)で指摘され、「経歴不足」で不合格になります。

独りよがりの考えは避けましょう。

 

昨年度からの変更点

 

大きな変更点はないようですが、日付などの年月日が和暦(平成31年など)→西暦(2019など)入力に変更されています。

※昨年度以前からの継続受験生は注意願います。

 

写真

 

申込書1枚目の左下に写真を貼ります。

受験時の本人確認用ですが、この申込書は口頭試験(面接試験)でも使用します。

試験官の印象が悪くならないように男性はスーツ、ネクタイでの写真をお勧めします。

 

専門とする事項

 

申込書1枚目の右上に「専門とする事項」を記入する欄があります。

その上の欄の「技術部門」「選択科目」は試験案内に添付されている一覧表から必ず選択しなくてはいけませんが、「専門とする事項」は必ずしも一覧表から選択しなくてはならない訳ではありません。

一覧表から選択したほうが簡単ですが、自分の専門と違うのに、一覧表にあるものから無理に選択すると口答試験時に試験官とのズレが生じ、スムーズな試験進行の阻害となります。

素直に正直に記載することをお勧めします。

 

実務経験証明書(業務経歴)

 

申込書2枚目の上の段は業務経歴を5行にまとめて記載します。

受験資格のパターンによって記載方法が変わります。

特に「技術士補登録+指導技術士の下で経験4年」で受験する場合は少し複雑です。

試験案内を熟読するとともに周囲の経験者に見てもらうことをお勧めします。

 

この5行の経歴は口頭試験時に非常に重要になってきます。

ただ何となく記載すると口頭試験時に泣くことになります。

自分の経歴をアピールする大事な部分です。

成長過程を時系列に沿って並べるとともに、経歴の空白期間や重複がないように細心の注意を払って記載します。

周囲の経験者に見てもらうことをお勧めします。

 

経歴5行には「技術士としてふさわしい業務内容」を記載しなくてはなりません。

技術士としてふさわしいとは何?と思った方は「技術士法第2条」を理解することからはじめなくてはなりません。

技術士法第2条(一部抜粋):技術士とは登録を受け、名称を用いて科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又は指導の業務を行う者>となっています。

素直に考えると高度な「計画」、「研究」、「設計」、「分析」、「試験」、「評価」、「指導」の7種類の業務のみ技術士としてふさわしいことになります。

「測量」「調査」「検討」「監督」など、また単純作業(CADによる図面修正など)はふさわしくないということです。

 

余談になりますが、よく質問される事項として、「まだ技術士試験に合格していないのに、なぜ技術士としてふさわしい経歴が必要なの?」があります。

実は技術士試験は、試験に合格してからふさわしいことを行うのではなく、既に行っている業務がふさわしいから技術士と名乗ることを許されるかどうかを判定するための試験です。

技術士になったからできる業務というものは基本的にはなく、ただ名称(看板)の使用許可をもらうだけの試験です。

このように記載してしまうと何の価値もない資格に感じてしまうことが残念です。

ただ、「できる業務」に大きな変化はありませんが、「影響力」は非常に大きなものになります。

建設業界の最高峰の資格と呼ばれていますので、その言動には大きな影響力があります。

そのため試験は非常に厳格で難しいものとなっています。

 

業務内容の詳細

 

申込書2枚目の下の段は、上の段の5行でまとめた経歴から一番アピールしたい業務を1つだけ選択し、その詳細を720文字以内にまとめ記載する部分です。

この業務内容の詳細は口頭試験時に超重要書類となってきます。

なぜこの時期にこんな大事な書類を作成しなくてはならないのか毎年疑問に思ってしまいます。

受験申込の4月の時点で記載するには酷な書類です。

後日、加筆・訂正はできません。

受験経験がない方はなんとなく記載して提出してしまいますが、12月頃の口頭試験時に後悔することになります。

厳しい筆記試験を突破した後にその現実を突きつけられます。

時間に余裕を持って推敲するとともに、周囲の経験者に相談されることをお勧めします。

「後悔先に立たず」です。

 

今年度の様式は最大900文字まで入力できるようです。

ですが、720文字を超えると失格(受理されない)になると言われています。

また、図や表は入れてはいけません。あくまでも文字のみです。

半角も1文字扱いです。

太字、囲い文字、アンダーラインはOKです。強調・アピールしたい部分はぜひ使用しましょう。

ダウンロード版の場合、パソコン入力できますが、手書きで記入してもOKです。

両方併用もOKです。

パソコン入力後、アンダーラインなどを手書きで書くなどもOKです。

色については不明ですが、試験官はコピーを使用しますので無意味になるかと思います。

 

悪い例としてよく挙げられるのが「業務報告書」のような記載方法です。

設計条件を課題とし、現地の問題点に対してマニュアル通りに対応した報告書を提出したという流れの内容です。

これは業務として当たり前の内容であり誰でも行うことです。

ここに記載したい内容は「マニュアル依存ではない」、「根拠がはっきりしている」、「普通の技術者では思いつかない対処方法(創意工夫)」などです。

こう記載すると「自分はそんな高度な経験はないよ」という方が多いですが、無意識のうちに実は行っていることが多いです。ただ、それを理解して行っているか、なんとなく行っているかどうかの問題なのです。

業務規模(金額の大小)は全く関係ありません。大都会、田舎の業務は全く関係ありません。

ご自身の経験をしっかり思い出し振り返ってみてください。

ご自身の経歴を棚卸しし、まとめることができるのは、ご自身しかいないのです。

 

よく勘違いすることとして、難しい専門用語を多用した記載方法です。

もちろん専門用語が理解できないこと自体は問題ありますが、知識をアピールする場所ではありません。

ここに記載するのは学会論文ではありません。

技術士としてのアカウンタビリティ(説明責任)をアピールする場所にもなります。

技術士としてのアカウンタビリティとは、科学技術に関する専門的内容を、公衆に対して誤解のないようにわかりやすく説明することが求められる>

誰が読んでも(ある程度の知識があれば)理解できる表現で記載することをお勧めします。

 

記載内容として「地域ネタ」を記載できると口頭試験(面接試験)では少し余裕を持って臨むことができるかもしれません。

地域ネタはご自身にとっては当たり前のことであっても試験官(ほとんどの方が関東近郊の方と思われる)にとっては全く知らないことがあります。

「寒さ」「雪」や「地域特有の動植物」などが挙げられます。

このような経験がある方は挑戦してみてはどうでしょうか。

 

受験申込書の受理

 

受験申込書を郵送し、特に電話などがなければ不備なく受理されたことになります。

心配であれば電話で確認することもできるようですが(基本的には不可ということになっています)、簡易書留で郵送しますので、無事に到着したかはネットで検索できます。

気をつけてもらいたいことは、受理されたから受験申込書の内容が完璧と認められた訳でありません。

「受験資格がある」と判断されただけに過ぎません。

受付の方が「経歴年数」や「添付資料」などに不備がなかったと判断しただけです。

「経歴内容」や「業務内容の詳細」の記載内容がよいと判断した訳ではありません。

これらを判断するのは前述しましたが口頭試験時の試験官です。

しつこいようですが、これらは独りよがりではなく第三者の意見にも耳を傾けましょう。

 

まとめ

 

繰り返しになってしまいますが、「時間に余裕を持つ」「独りよがりではなく第三者に見てもらう」ことが最後には「合格」につながることを理解して、ぜひ来年3月(令和2年3月6日予定)を笑顔で迎えられるよう頑張りましょう。