スマート技術員(技術士第二次試験受験者を応援)

建設部門(道路科目)を中心に情報提供しています。10月より口頭試験対策及び筆記試験対策を始めます。

【平成28年度 技術士第二次試験問題 建設部門 道路科目 Ⅲ-2】について考える【模範解答イメージあり】

技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。

 

 

問題文

 

 社会資本整備については、効率的で効果的な事業実施と、その実施過程において一層の透明性の確保がもとめられており、道路事業では、これまで評価手法の改善等を行いながら事業評価が実施されている。道路に携わる技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)道路事業の各段階で実施される事業評価について述べよ。

(2)道路事業の効果を評価する手法について、現状の課題を多面的に述べよ。

(3)(2)の課題を解決するための方策と、それを進める上での留意点について述べよ。 

 

問題文把握

 

まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。

今回の場合は問題文に沿って解答するだけですので

①事業評価

②課題(多面的になので2つ以上 個数指定なし)

③方策、留意点

の3つの項目に分類されるかと思います。

キーワードは特にないかと思いますが、「事業評価」の知識がないと解答は困難です。

上記を無視した解答は仮に内容が優れていても減点対象になるかと思います。

 

論文構成としては

 

1.事業評価

(1)〇〇

(2)〇〇

(3)・・・

2.課題

(1)〇〇

〇〇〇

(2)△△

△△△

(3)□□

・・・(個数指定なし)

3.方策

(1)〇〇

 〇〇〇

 留意点として・・・

(2)△△

 △△△

 留意点として・・・

(3)□□

・・・(2.課題の個数に合わせる)

 

のような構成が一般的となります。

アンダーラインの有無や1.や(1)ではなく①や(a)のような表記で仕分けしても問題ありません。

 

 

 

記述例

 

記述内容の例を簡単に記載しますと

(合格論文ではなく論文イメージなのでご注意願います)

(知識向上のため多く記述しています)

 

1.事業評価

(1)新規事業採択時評価

 新規事業採択時評価は、事業の効率性及びその実施過程の透明性の一層の向上を図るための評価。どの事業を実施するかを決定する前と、本格的に事業を始める前に、効率性と効果を確認し、事業実施の必要性を厳しくチェックするもの。

 流れとしては

①事業採択の前提条件の確認

・投資効率は十分か(便益が費用を上回っているか)

・円滑な事業執行の環境が整っているか

②費用対便益の確認

・総費用、総便益、B/C等を整理

・必要に応じて感度分析結果を整理

③事業の影響・事業実施環境の把握

・渋滞対策上の効果が見込まれるか

・事故対策上の効果が見込まれるか

・歩行空間の安全性、快適性等の向上が見込まれるか

・災害対策上の効果が見込まれるか

都道府県・政令市等に意見を聞いた上で、学識経験者等の第三者から構成される委員会等の意見を聴取し、事業採択の可否を判断

(2)再評価

 再評価は、事業の効率性及び透明性の一層の向上を図るため、事業採択後3年間未着工及び5年間継続中の事業等について実施し、事業の継続もしくは中止等の方針を決定するもの。

 流れとしては

①事業の必要性等に関する視点

・事業を巡る社会経済情勢等の変化はどうか、事業の投資効果は十分か事業の進捗状況はどうか

②事業の進捗の見込みの視点

・進捗が順調でない場合の理由は何か、今後の見通しはどうか

③コスト縮減や代替案立案等の可能性の視点

・施設の構造や工法の変更等の可能性はどうか

④対応方針の決定

中止、継続・見直し継続を決定する。

(3)事後評価

 事後評価は、事業の効率性及び透明性の一層の向上を図るため、完了した事業について、その効果、環境影響など実績の確認を行い、必要に応じて適切な改善を検討するとともに、評価結果を同種事業の計画・調査等に反映すること、並びに事業の成果に対する説明責任を果たすことを目的としている。

 流れとしては

①事業の効果の視点(客観的指標による評価等)

・事業採択の前提条件に対応する項目の評価 (交通量の状況、コストの増減、事業期間の状況など)

・事業の効果や必要性に対応する項目の評価 (物流効率化の支援、都市圏の交通円滑化の推進など)

②環境への影響の視点

・事業実施前に行った環境影響評価に対応する項目の評価

・事業を巡る状況の変化を踏まえ環境に関して評価すべきと判断した項目の評価

③事業を巡る社会情勢等の変化の視点

・関連する計画や事業の状況変化の評価

・人口・産業等の社会経済状況の変化の評価

・環境に関する状況変化の評価等

④改善措置の検討、同種事業の計画・調査等への反映

客観性、透明性を確保するため、再評価にあたり設置された学識経験者等の第3者からなる事業評価監視委員会を活用して意見を聴取する仕組みを導入する。

⑤事業の成果の公表

道路事業では他の事業に比べ供用の影響や効果を早期に確認することが可能であることから、事業の説明責任を果たすため、可能な限り速やかに事後評価を実施する。

2.課題

(1)費用便益分析における便益・費用の計算方法

 現行の3便益(走行時間短縮便益、走行経費減少便益、交通事故減少便益)の計算方法が過大で適正に評価できていない。

(2)事業評価手法の考え方

 現行の費用便益分析(B/C)は3便益のみによる便益計算手法である。しかし、実際は計算に含まれない部分の効果が大きいと推測される。

 

(その他候補(知識)として)

・再評価しても、その約6割の事業で事業費または事業期間の変動がない。

・外注費用として1年に約5.5 億円の費用が発生している(整備効果の調査、資料作成、費用対効果算出、監視委員会資料の作成、公表様式の作成など)

 

3.方策

(1)時間価値の見直し

①業務目的の人の時間価値

(現行)賃金+福利厚生費等により算出、常用労働者(5人以上の事業所)の賃金(毎月調査)をもとに設定。

(見直し)従来の常用労働者(5人以上の事業所)に加え、臨時労働者及び常用労働者(1人~4人の事業所)にかかる賃金データをもとに時間価値を算出。

②非業務目的の人の時間価値

(現行)道路整備による短縮時間を、ドライバー等が仕事など他の行動に充てた場合の収益分として、労働者の賃金をもとに算出。

(見直し)ドライバー等が直接受け取る収益分として、収入(賃金-所得税等)により設定。

③車両の時間価値

(現行)車両を他の用途に活用した場合に得られる最大の収益を計測するため、実務上、計測が簡便なレンタカー価格により算出。

(見直し)海外事例も参考としつつ、業務目的の車両の機会費用について、より厳しい算出方法として車両償却費により算出。

(留意点)

非業務目的の人の時間価値において、諸外国の事例を見ると、賃金をもとに算出している事例と、人々の実際の行動実態のデータをもとに設定している事例の両方がある。引き続き研究を進め、その知見が集まった段階で見直すことが必要。

(2)事業評価手法の見直し

 諸外国の事例を参考にすると、貨幣単位で評価してB/Cの中に入れ込む手法と、それとは切り離して、定量的・定性的に効果を把握し、B/Cとあわせて総合的に評価する手法があるため、それらを参考に手法を見直す。

(留意点)

貨幣単位の手法には、二重計上や計測精度などの課題があり、定量的・定性的に効果を把握した手法には、誰が意思決定を行うかなど評価のガバナンスなどの課題があることから、民主的に選ばれた国民の代表者の関わりも必要である。そのため、今後、様々な事業での試行を重ねながら、更に議論していく必要がある。

 

(文字数オーバーにならないよう適当に個数、文字数を調整する必要があります) 

 

まとめ

 

一番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。

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