スマート技術員(技術士第二次試験受験者を応援)

建設部門(道路科目)を中心に情報提供しています。試験本番まで時間が少ないため通常より安く添削指導しています

【i-construction】とは?

 技術士第二次試験 覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「i-construction」について記述します。

内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。ずばりキーワードを答える問題もそうですが、何らかの問題点や課題、解決策の1つとして記述することもできるようになります。

暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。

(下記情報の基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。ゆっくり検索する時間がない受験生のために、さっと読んで概要を理解できるようにまとめたものです。)

 

 

導入背景

 

 建設業界は深刻化な人手不足に陥っている。建設需要は高まっているのに対し、供給が全く追いついていない状況。熟練技術者が今後どんどん離職すると予想されているにも関わらず、29歳以下の労働者は全体の10%以下となっている。ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)を活用し省人化・省力化を実現することで、1人あたりの生産性を上げる必要がある。

 

※建設業界は「生産性向上」が求められているということですね

 

目的・方向性(国土交通省

 

「ICT の全面的な活用(ICT 土工)」等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、もって魅力ある建設現場を目指す。(①1人1人の生産性を向上させる、②賃金水準向上で魅力ある建設現場、③建設現場での死亡事故ゼロ、④3K(きつい、危険、汚い)から新3K(給与が高い、休暇がとれる、希望がもてる)に)

建設現場の生産性を2025年度までに2割向上を目指す

 

概要

 

 国交省が掲げる20個(現在は31個に増加)の生産性革命プロジェクトのうちの1つで、測量・設計から、施工、検査さらに管理にいたる全プロセスにおいてICTを導入することにより建設生産システム全体の生産性向上を目指す取組み。

 

トップランナー施策として3つを掲げている

① ICTの全面的な活用(ICT土木)

②規格の標準化(コンクリート工)

③施工時期の標準化。

 

i-Construction推進コンソーシアム

 

様々な分野の産学官が連携して、IoT(Internet of Things:あらゆる物がインターネットを通じてつながることによって実現する新たなサービス、ビジネスモデル、またはそれを可能とする要素技術の総称)・人工知能(AI)などの革新的な技術の現場導入や、3次元データの活用などを進めることで、生産性が高く魅力的な新しい建設現場を創出することを目的とし、コンソーシアムの設置を進めている。

 

コンソーシアムは前項の目的を達成するため、最新技術の現場導入のための新技術発掘や企業間連携促進、3次元データ利活用促進のためのデータ標準やオープンデータ化、i-Constructionの海外展開など、i-Constructionの推進に資する取り組みを行う。

(コンソーシアム:提携、共同、団体を意味し、国・自治体・有識者、建設関連企業、建設分野以外の関連企業が会員となり、委員会で取り組みを進めていく)

 

CIM(Construction Information Modeling/Management)

 

3Dモデルと仕様などの属性情報を一貫して管理する情報システム。建築分野におけるBIMに対して、土木分野ではCIM。

 

CIMを導入し設計段階から3Dモデルで議論・検討することで、これまでは着工するまで気づかなかった課題や潜在的な問題を顕在化させることができ、業務や工事の手戻りを防ぐことができる。また基本的な属性情報も3Dモデルといっしょに格納できるため、将来的には維持管理業務の簡易化やコストや工期の自動算出も見込まれている。

 

ICT建機

 

 これまで土木工事における建機の操縦は「熟練の技」を必要とする非常に難しい作業だったが、自動制御が可能なICT建機により、経験の浅いオペレーターや女性でも施工ができる。施工の正確性、安全性の向上が見込まれる。

 

 MC(マシーン・コントロール)とMG(マシーン・ガイダンス)の2種類のICT建機がある。

 

UAV(Unmanned aerial vehicle)

 

 無人航空機のことであるが、一般的にはドローンが有名。

 

UAV測量の最大のメリットは、従来の測量に比べて、測定やデータ収集にかかる時間と費用を大幅に削減できる。また、詳細な3次元地形データを取得できるため、CIM のためのデータとして活用し、土木構造物建設の効率化を図ることも可能。

 

課題

 

① ICT導入に対する企業への支援方法(費用

 

地方自治体などの発注者への支援方法(人材育成

 

③ ICTの活用を前提としていない現在の基準による設計ストックに対する対応方法

 

④海外展開を見据えたICT等の国際標準化

 

まとめ

 

「生産性向上」を論じるときには、「i-construction」が重要キーワードになります。内容を理解するとともに、英語のスペルも書けるようにしておきましょう。試験本番、手書きで書けないと恥ずかしい思いをすることになりますのでご注意を。

 

(最後まで読んでいただきありがとうございます。)