平成31年度 技術士第二次試験 覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「物流生産性革命」について記述します。(建設部門に偏ってしまい申し訳ありません)
内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。ずばりキーワードを答える問題もそうですが、何らかの問題点や課題、解決策の1つとして記述することもできるようになります。
暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。
(下記情報の基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。ゆっくり検索する時間がない受験生のために、さっと読んで概要を理解できるようにまとめたものです。)
現状
・トラックの輸送能力の約6割は未使用
・1運行で2時間弱の荷待ち時間が発生
・約4割の荷役業務で対価が支払われていない
・宅配便の約2割は再配達
・天井高さ3mでは、70%以上の路線トラックが屋内駐車場に入れない
背景、目標
近年の我が国の物流は、トラック積載効率が40%に低下するなど様々な非効率が発生。生産性を向上させ、将来の労働力不足を克服し、経済成長に貢献していくことが必要となっている。
そのため、①荷主協調のトラック業務改革など「業務効率の改善」、②受け取りやすい宅配便、物流システムの国際標準化の推進など「付加価値の向上」を推進。物流事業の労働生産性を2割程度向上させる。
(業務効率の改善と付加価値の向上により、物流の大幅なスマート化を図るのが「物流生産性革命」)
※物流生産性革命は国土交通省が提唱する生産性革命プロジェクト31(最初は20だった)のうちの1つ。その他のプロジェクトもひと通り知っておくこともお勧めします。
解決方法(施策例)
1.業務効率改善
①トラック物流の刷新
・中継輸送を含む共同輸配送等の促進
・自動隊列走行の早期実現
・荷待ち時間の削減のためのトラック予約受付システム・スワップボディコンテナ車両・連結トラックの導入等を促進
②港湾の刷新
・IoTを活用したゲート処理の効率化
・遠隔操作化等による荷役能力の向上によるコンテナターミナルの高度化
③海運の刷新
・海上交通管制の一元化
・モーダルシフトに資する船舶の情報を一括して提供するシステムの構築
④ドローンによる荷物配送
・小型無人機(ドローン)による荷物配送を可能とするため、安全確保を前提としつつ、必要な環境整備を加速し、関係者の取組を後押し。( → 宅配運送トラックを減らすことができ、「人手不足問題」「環境問題(Co2排出)」を解決に導ける)
2.付加価値の向上
①受け取りやすい宅配便( → 再配達の減少が期待できる → 「労働条件改善」「環境問題(Co2排出)改善」が期待できる)
・宅配ボックス設置部分に係る容積率の扱いの合理化の検討等による宅配ボックスの設置促進
・オープン型宅配ボックスの導入促進など、受取方法の更なる多様化・利便性向上
②身軽な旅行を実現する物流
・手ぶら観光の促進
③コンテナ輸送の刷新
・鉄道・海上輸送を可能とする高度な鮮度保持技術の開発・普及
④我が国物流システムの国際標準化の推進
・我が国の質の高いコールドチェーン物流システムの国際標準化を推進することで、我が国物流事業者や食品関連産業等のASEAN地域への海外展開を支援
まとめ
「物流」が問題のキーワードになっている場合は、この物流生産性革命の内容を知っていると有利になるかと思います。日常生活では、「再配達が多い」という問題や「ドローンによる荷物配送」を耳にしたことがあるかと思います。物流を論じるとき、「環境問題(Co2排出)」や「渋滞対策」が必ずといってよいほど関係してきますから、ぜひ、物流生産性革命の問題や施策を理解しておいてください。
(最後まで読んでいただきありがとうございます。)