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【ズバリ予想! 令和元年度 技術士第二次試験問題 建設部門(道路)】を振り返って

「ズバリ予想!」は、やはり当たらないものですね(笑)

ある程度範囲を絞ることはできたでしょうが・・・

この程度が限界なのでしょうかね・・・

 

予想キーワードと実際出題された試験問題を比べてみたいと思います。

 

①必須科目Ⅰ-1

試験問題は「建設分野における生産性の向上」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「生産性革命プロジェクト31の建設分野(i-Construction、物流生産性革命など)」となるでしょう。

予想キーワードとしてICT関連(i-construction関連)、重要物流道路(物流生産性革命)」を挙げていましたので、勉強していた受験生はとりあえず対応できたかと思います。

正直、この範囲は大半の受験生がしっかり勉強していたと思います。

知識があっても題意からズレずに記述できたかどうかはまた別の話ですが・・・

新しい問題形式に振り回されず、落ち着いて対応できた受験生はしっかり記述できたと思います。

 

②必須科目Ⅰ-2

試験問題は「自然災害」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「国土強靱化基本計画の見直し(防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策)、内閣官房HP情報」となるでしょう。

予想キーワードとして「災害関連(防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策)」を挙げていましたので、勉強していた受験生はとりあえず対応できたと思います。

これに関しても、大半の受験生がしっかり勉強していたと思います。

必須科目に関しては「知識の差」というよりも、「応用(臨機応変)能力」をしっかり訓練してきた受験生が結果的に合格点を取ることになりそうです。

 

③選択科目Ⅱ-1-1

試験問題は「最小曲線半径の算定など(道路構造令)」についてでした。

予想キーワードとして「道路線形設計関連」を挙げていましたが、この手の問題は実際に携わっている技術者でないとわからないというのが本音でしょう。

今年度から4つの問題のうち1つだけ選択し解答すればいいので、設計業務に携わっていない技術者は無理に選択することはなかったでしょう。

選択科目Ⅱ-1に関しては、昨年度までの2つ選択から1つ選択に変わったので、受験生の負担がかなり軽くなったと思います。

 

④選択科目Ⅱ-1-2

試験問題は「重要物流道路」についてでした。

予想キーワードとして「重要物流道路関連」を挙げていましたので、勉強していた受験生はしっかり対応できたと思います。

「重要物流道路」は本命だったので、大半の受験生がこの問題を選択し対応したのではないかと推測しています。

 

⑤選択科目Ⅱ-1-3

試験問題は「コンクリート舗装(連続鉄筋・転圧Coについてでした。

予想キーワードとして「コンクリート舗装関連」を挙げていましたが、ここまで専門的な内容だと携わったことがない受験生には対応できなかったと思います。(大手舗装会社でも一部の技術者しか経験がないような工法だと思いますが・・・)

毎年思いますが、Ⅱ-1-3の舗装系問題はちょっと難しい感じがします。

 

⑥選択科目Ⅱ-1-4

試験問題は「切土のり面崩壊に繋がる変状(点検)」についてでした。

予想キーワードとして「法面設計・保護関連」を挙げていましたが、この問題も実際に携わっている技術者でないと解答できないでしょう。

これも毎年感じますが、一般的に選択科目Ⅱ-1-2が一番解答しやすい問題である確率が高い気がします。

 

⑦選択科目Ⅱ-2-1、2

選択科目Ⅱ-2の問題は応用能力に関するものとして、今までの経験に基づいたマネジメント能力やリーダーシップ能力が問われます。もちろん最低限の知識は必要ですが、机上だけの技術者ではなく実際の業務に携わっている経験が必要になります。自分自身だけでなく会社として携わっている業務、第三者の体験談などから常に情報を収集し、整理しておくことが大事です。

言い訳になってしまいますが、この問題を予想するのは困難かと思います。

今年度は「生活道路の交通安全対策」「橋梁工事の工程管理」がキーワードになるかと思いますが、大半の受験生は何となく知っていて何となく記述できたというのが感想なのではないでしょうか。

出題形式がパターン化されてきましたので、過去問をしっかりこなしておけば、それなりの準備・対応は可能かと思います。

 

⑧選択科目Ⅲ-1

試験問題は「交通マネジメント」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「(ICTAI、ビックデータを活用した)道路交通渋滞対策、交通需要マネジメント(2020TDM推進プロジェクト)、交通システムマネジメント」となるでしょう。

予想キーワードとしてICT関連、物流関連、交通需要マネジメント関連」を挙げていましたが、それらの知識からその場で考えて対応するしかなかったかと思います。

東京オリンピックパラリンピック関連は出題されるとは思いましたが、こんな形で出題されることを想定していませんでした。

落ち着いて考えれば、東京オリンピックパラリンピック関連 → 渋滞関連問題 は本命でしたね。

 

⑨選択科目Ⅲ-2

試験問題は「道路構造物メンテナンス、道路橋定期点検」についてでした。

予想キーワードとして「メンテナンスサイクル関連、道路構造物の点検要領」を挙げていましたが、知識という形ではありませんでした。

国土交通省HPの社会資本メンテナンス戦略小委員会の資料に目を通していれば、それなりに対応できたかと思います。

といっても選択科目Ⅲについても問題形式が昨年までと微妙に変わったところが気になり、そちらへの対応に苦戦したというのが本音ではないでしょうか。

 

○まとめ

今年度の新しい問題形式には驚かされましたが、出題内容そのものは良問だったと思います。

受験生は「公務員」「建設コンサル」「建設会社」など様々な立場で受験していますので、問題内容に不公平、偏りがないことが大事かと思います。

専門的過ぎる問題内容という部分もありますが、全体バランスはしっかり取れているかと思います。

大半の受験生の方々は「出題範囲が広く対応できない」と思いますが、合格者はそれでも対応しています。

キーワードが全然頭に浮かばなかった受験生は基本的に「勉強不足」と思ってください。

キーワードは浮かんだけど論文として記述できなかった受験生は「訓練不足」です。

記述できたけどA評価をもらえない受験生は「自己満足タイプ」が多いです。

自分がどの状態なのか、不合格原因をしっかり把握し来年につなげる努力も技術士には必要です。

既に来年度に向けてスタートしている受験生もいるのですから。

「継続することが合格への一番の近道」ですよ。