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【ズバリ予想! 令和2年度 技術士第二次試験問題 建設部門(道路)】を振り返って

「ズバリ予想!」は、やはりピタリとは当たらないですね。

ある程度範囲を絞るためには役に立つでしょうが・・・この程度が限界なのでしょうかね・・・

もっと範囲を絞った予想ができれば、もっと楽に合格へ導けるのですが・・・

道路科目は出題範囲が広範囲という印象は変わらないですね。

想定外の問題も出題されますしね・・・簡単には合格させてくれませんね・・・

 

 

予想キーワードと実際出題された試験問題を比べてみたいと思います。

 

①必須科目Ⅰ-1

試験問題は「人口減少に伴う担い手確保」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「担い手3法、新・担い手3法」となるでしょう。

予想キーワードとして「人口減少、新担い手3法」を挙げていましたので、勉強していた受験生はとりあえず対応できたかと思います。

正直、この話題は大半の受験生がしっかり勉強していたと思います。

知識があっても題意に沿って記述できたかどうかはまた別の話ですが・・・

問題文の内容が微妙に変化しましたが、言葉に振り回されず、落ち着いて対応できた受験生はしっかり記述できたと思います。

問題文(1)では「課題を抽出し、その内容を観点とともに示せ。」と昨年から変化しました。

「○○という観点から○○が課題」という表現を求めているのでしょう。

この表現に戸惑った受験生もいたかと思います。

(3)の「波及効果(別の物事に影響を及ぼす現象)」という表現でもビックリして手が止まった受験生もいたかと思います。

リスクのようにマイナス影響だけでなく、プラスの影響でもOKということなのでしょう。(通常はプラス効果のイメージですが、マイナス効果も間違いではないかと思います)

また「リスク」が「懸案事項」という表現に変わったことで悩んでしまった受験生もいたことでしょう。

問題文を読んで、Ⅰ-2に慌てて問題を変更した受験生もいたかもしれません。

 

②必須科目Ⅰ-2

試験問題は「戦略的なインフラメンテナンス(維持管理・更新)」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「社会資本メンテナンス戦略小委員会の資料」となるでしょうか。

予想キーワードとして「維持管理(老朽化)」を挙げていましたので、勉強していた受験生はとりあえず対応できたと思います。

これに関しても、大半の受験生がしっかり勉強していたと思います。

応用ができない受験生は「メンテナンス」という言葉から「維持管理・更新」と結びつかなかった気がします。

うわべだけの知識だと言葉の変化に対応できません。

必須科目に関しては「知識の差」というよりも、「応用(臨機応変)能力」をしっかり訓練してきた受験生が結果的に合格点を勝ち取ることになりそうです。

 

③選択科目Ⅱ-1-1

試験問題は「設計時間交通量(道路構造令関連)」についてでした。

予想キーワードとして「道路線形設計関連」を挙げていましたが、これは大きく外れました。(と言ってもこれを予想できた人はいないかと・・・)

この手の問題は実際に携わっている技術者でないとわからないというのが本音でしょう。

4つの問題のうち1つだけ選択し解答すればよいので、設計業務に携わっていない技術者は無理に選択することはなかったかと思います。

選択科目Ⅱ-1に関しては、昨年度から解答2つから1つでよくなったので、受験生の負担がかなり軽くなったと思います。

 

④選択科目Ⅱ-1-2

試験問題は「歩行者利便増進道路(道路法等の一部を改正する法律案)」についてでした。

予想キーワードとして道路法等の一部を改正する法律案」を挙げていましたので、勉強していた受験生はしっかり対応できたと思います。

私は「道路法等の一部を改正する法律案」全体の話題と予想していましたが、「歩行者利便増進道路」のみをピックアップして出題されました。

これもうわべだけの知識だと対応できません。

道路法等の一部を改正する法律案」の内容をただ暗記ではなく、理解して暗記していないと対応できなかったと思います。

丸暗記では通用できないように出題されていますね。

 

⑤選択科目Ⅱ-1-3

試験問題は「舗装の性能指標」についてでした。

予想キーワードとして「性能指標」を挙げていましたので、勉強していた受験生はしっかり対応できたと思います。

例年Ⅱ-1-3の舗装系問題はちょっと難しい感じがしましたが、今年度は過去問(H26)から想定しておけば対応できる出題でした。

単純な内容説明というサービス問題でもありました。

 

⑥選択科目Ⅱ-1-4

試験問題は「落石対策」についてでした。

予想キーワードとして「盛土関連」を挙げていましたが、これも大きく外れました。(これも予想できた人はいないと思いますが・・・)

この問題も実際に携わっている技術者でないと解答できないでしょう。

毎年感じますが、一般的に選択科目Ⅱ-1-2が一番解答しやすい問題である確率が高いような気がします。

 

⑦選択科目Ⅱ-2-1、2

選択科目Ⅱ-2の問題は応用能力に関するものとして、今までの経験に基づいたマネジメント能力やリーダーシップ能力が問われます。もちろん最低限の知識は必要ですが、机上だけの技術者ではなく実際の業務に携わっている経験が必要になります。自分自身だけでなく会社として携わっている業務、第三者の体験談などから常に情報を収集し、整理しておくことが大事です。

言い訳になってしまいますが、この問題を予想するのは困難かと思います。

今年度は「道路交通アセスメント」「舗装修繕工事」などがキーワードになるかと思いますが、大半の受験生は何となく知っていて何となく記述できたというのが感想なのではないでしょうか。

出題形式がパターン化されてきましたので、過去問をしっかりこなしておけば、それなりの準備・対応は可能かと思います。

微妙に問題文の表現を変えてきていることが気になりますが・・・何が目的なのでしょう・・・

作問委員が作成した模範解答を公表してもらいたいものです。

 

⑧選択科目Ⅲ-1

試験問題は「自転車活用推進」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「自転車活用推進本部の自転車活用推進法、自転車活用推進官民連携協議会」などとなるでしょう。

予想キーワードとして「自転車関連」を挙げていましたが、私は「ナショナルサイクルルート」がメインで出題されると予想していました。

自転車関連は過去に何度も出題され、それほど専門的な知識が必要というわけではありませんので、その場で考えても何となく対応できたかと思います。

自動車から自転車に乗り換えれば健康増進になる、CO2削減で環境もよくなる、渋滞も解消される、などが浮かぶかと思います。

問題文(1)の「自転車の活用の推進により解決されうる課題」という表現にビックリして、考え込んだ受験生がいたかもしれません。

(3)の「専門技術を踏まえた考え」にも反応して手が止まった受験生もいたかもしれません。

毎年、微妙な変化球で受験生を惑わす出題になっていますね。

 

⑨選択科目Ⅲ-2

試験問題は「防災対策」についてでした。

この問題に対応するための知識としては「道路の耐災害化強化に向けた提言」などとなるでしょう。

予想キーワードとして「災害(耐災害化強化)」を挙げていましたので、勉強していた受験生はしっかり対応できたと思います。

この問題は「災害の備え」の話題であり、発災後の話題ではないことに注意すればOKでしょう。

地震で舗装が壊れたからどうしよう」ではなく、「壊れてもすぐ復旧するために今どのように準備しておこうか」の話題です。

「ヒト・モノ・カネを投入して一日でも早く復旧させよう」という解決策では合格点はもらえないでしょう。

 

○まとめ

昨年度の問題形式を微妙に変化させてきましたが、出題内容そのものは良問だったと思います。

受験生は「公務員」「建設コンサル」「建設会社」など様々な立場で受験していますので、問題内容に不公平、偏りがないことが大事かと思います。

専門的過ぎる問題内容という部分もありますが、全体バランスはしっかり取れているかと思います。

大半の受験生の方々は「出題範囲が広く対応できない」と思いますが、合格者はそれでも対応しています。

キーワードが全然頭に浮かばなかった受験生は基本的に「勉強不足」と思ってください。

キーワードは浮かんだけど論文として記述できなかった受験生は「訓練不足」です。

記述できたけどA評価をもらえない受験生は「自己満足タイプ」が多いです。

自分がどの状態なのか、不合格原因をしっかり把握し来年につなげる努力も技術士には必要です。

既に来年度に向けてスタートしている受験生もいるのですから。

「継続することが合格への一番の近道」です。

途中であきらめると一からやり直しです。

合格するまでやり続けましょう。