技術士第二次試験を受験するに当たって、覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「第11次交通安全基本計画(案)」について記述します。
基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。
内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。
暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。
このキーワードが知識問題として出題されるわけではありません。
この記載内容を利用して必須科目Ⅰや選択科目Ⅲの論文に活用してください。
詳細のリンク先は以下のとおりです。
第11次交通安全基本計画(R3~R7)に基づく道路交通安全施策の進め方について
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001387166.pdf
<第11次交通安全基本計画(案)の概要>
計画期間:令和3年度~令和7年度(5か年)
【基本理念】
・人優先の交通安全思想の下、これまでの10次・50年にわたる取組において、道路交通事故死者数については、過去最悪時の5分の1以下にまで減少。高齢化の進展への適切な対処とともに、子育てを応援する社会の実現が強く要請される中、時代のニーズに応える交通安全の取組が求められる。
・人命尊重の理念に基づき、交通事故被害者等の存在に思いを致し、また交通事故がもたらす大きな社会的経済的損失をも勘案して、究極的には交通事故のない社会を目指す。
・「人優先」の交通安全思想を基本とし,あらゆる施策を推進する。
・高齢になっても安全に移動することができ安心して移動を楽しみ豊かな人生を送ることができる社会を構築する。
【目標】
①世界一安全な道路交通の実現を目指し、24時間死者数を2,000人以下とする。(30日以内死者数2,400人)
②重傷者数を22,000人以下にする。
【対策】
<視点>
①高齢者及び子供の安全確保
②歩行者及び自転車の安全確保
③生活道路における安全確保
④先端技術の活用推進
⑤交通実態等を踏まえたきめ細かな対策の推進
⑥地域が一体となった交通安全対策の推進
<対策の柱>
①道路交通環境の整備
②交通安全思想の普及徹底
③安全運転の確保
④車両の安全性の確保
⑤道路交通秩序の維持
⑥救助 救急活動の充実
⑦被害者支援の充実と推進
⑧研究開発及び調査研究の充実
<交通事故の推移、道路交通安全の現況など>
※課題部分の背景(現況)として活用できそうです。
〇令和2年の交通事故死者数は、ピーク時から約8割減少。
〇交通事故死傷者数もピーク時から約7割減少。
〇一般的に道路の規格が高くなるほど安全性が高い(事故率が低い)
〇国土幹線道路(自動車専用道路+直轄国道)の交通分担率が増加している中においても、死亡事故件数死傷事故件数は大きく減少。
〇生活道路の交通分担率は減少。死傷事故件数は大きく減少しているものの、死亡事故件数は減少幅が比較的少なく、改善余地がある。
(まとめ)
〇自動車専用道路と直轄国道が受け持つ自動車交通のシェアは、整備の進捗等に伴い10年間で約3%増加。交通量が増えていながらも 、死亡事故・死傷事故件数は約4割減少。
〇一方、 生活道路については、受け持つ自動車交通のシェアが約2%減少。死傷事故件数については、約45%と他の道路種別と同程度減少しているが、死亡事故件数については約28%と減少幅が小さく、改善の余地がある。
<今後の取組方針(案)>
※課題として活用できそうです。
課題①:幹線道路の安全性の一層の向上(特に事故全体の半数を占める幹線道路に対する重点的な対策)
課題②:自動車専用道路等の幹線道路への自動車交通の一層の転換(道路の機能分化)
課題③:生活道路における事故(特に死亡事故)の削減
<幹線道路の安全性の一層の向上>
※論文では課題①の解決策として活用できそうです。
①事故危険個所の指定
・第1次社会資本整備重点計画より4次にわたって重点施策として、幹線道路の事故の危険性が高い箇所のうち、事故対策を集中的に対策する箇所を「事故危険箇所」として、国交省と警察庁が共同で指定。
・第5次社会資本整備重点計画(R3~R7)においても 、引き続き『A基準』及び『B基準』より事故の危険性が高い箇所を抽出・指定。
②自動車専用道路の安全対策
・暫定2車線区間については、優先的な区間で4車線化を計画的に実施するとともに、緊急的な対策としてワイヤロープの設置を推進。
・重大事故につながる可能性の高い高速道路の逆走の対策や増加傾向にある高速道路への歩行者等の立入り対策を推進。
<自動車専用道路等の幹線道路への自動車交通の一層の転換>
※論文では課題②の解決策として活用できそうです。
①道路の機能分化
・仙塩道路 → 4車線化後の交通量は、概ね1割増加。本線における死傷事故件数は約8割減少。生活道路を 含めた周辺道路の死傷事故件数が約3割減少。
・熊本環状道路 → 環状のネットワークが完成。国道3号 県道308号の交通量は約1割減少。死傷事故は約3割減少。生活道路を含めた周辺道路死の傷事故件数が4割弱減少。
<生活道路における事故の削減>
※論文では課題③の解決策として活用できそうです。
①生活道路対策エリア
・「生活道路対策エリア」である新潟市日和山小学校の重点対策区間では、半数以上が規制速度を超過しているため、速度抑制対策を実施。(狭さくの設置、路面カラ一舗装)。平日朝の通学時間帯における通過交通が多いため、通過交通の進入抑制対策も実施。(ライジングボラード、スムーズ歩道) → 重点対策区間において、30km/h超過割合が45%減少するなど、大幅な速度抑制効果が発現。
・速度規制と物理的デバイスが組み合わされた14の生活道路対策エリアでは、速度規制のみ実施しているエリアに比べ、速度低減効果や急減速発生率等の効果が発現 → 規制速度だけでなく、物理的デバイスを組み合わせることで大きな効果が発現する傾向
②道路管理者と警察との新たな連携制度
・交通規制と物理的デバイス設置等の適切な組み合わせが、速度や通過交通の進入の抑制により高い効果を発揮することを踏まえ、各都道府県の道路管理者と警察が一層連携して生活道路のエリア交通安全対策を推進していくための選定制度を新設。
・国土交通省道路局と警察庁交通局で選定要件を定め各都道府県の道路管理者と警察が要件をみたすエリアを選定。選定されたエリアに対して、必要に応じて支援を実施するとともに、対策が高い効果を発揮しているエリアを好事例として横展開を図る。
③新たな選定制度の進め方
・新たな選定制度の要件については、①②を基本とし、国土交通省道路局と警察庁交通局で検討を行う。
①30km/hのエリア規制等の交通規制が行われている、または予定されている
②道路管理者と警察、地域の関係者等との間でドライバーの遵守意識を十分に高めるための物理的デバイスの設置等の対策が適切に検討され実施されている、または予定されている 等
<論文での活用>
上記をうまく活用できると高評価論文が記述できるかと思います。
特に選択問題Ⅲとして活用できそうです。
出題されるテーマによって使い分けができるよう訓練しておきましょう。
少しでも参考になったのであれば幸いです。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。