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【令和4年度 技術士第二次試験問題 予想問題キーワード】【2040年、道路の景色が変わる】とは?

※昨年と同じものですが、重要なのでもう一度掲示します。

 

技術士第二次試験を受験するに当たって、覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「2040年、道路の景色が変わる」について記述します。

 

基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。

内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。

暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。

このキーワードが知識問題として出題されるわけではありません。

この記載内容を利用して必須科目Ⅰや選択科目Ⅲの論文に活用してください。

 

詳細のリンク先は以下のとおりです。

https://www.mlit.go.jp/road/vision/pdf/01.pdf

https://www.mlit.go.jp/road/vision/pdf/02.pdf

 

<意義・目的>

・災害や気候変動、インフラ老朽化

・人口減少社会

・デジタルトランスフォーメーション(DX)(ITの浸透により、人々の生活が根底から変化し、よりよくなっていく事)

・ポストコロナの新しい生活様式

 ↓

道路政策を通じて実現を目指す2040年の日本社会の姿と政策の方向性を提案するビジョンを策定

※試験問題の背景(テーマ)が上記4つに含まれれば、以下の内容が活用できそうです。

 

<基本的な考え方>

・道路政策の原点は「人々の幸せの実現」

・デジタル技術をフル活用して道路を「進化」させ課題解決

・道路にコミュニケーション空間としての機能を「回帰」

 

<5つの将来像>

※論文では「解決策」に利用できそうな内容です。

①通勤・帰宅ラッシュが消滅

  • テレワークの普及により通勤等の義務的な移動が激減
  • 居住地から職場までの距離の制約が消滅し、地方への移住・居住が増加

(活用例)

渋滞解消(ポストコロナの新しい生活様式)がテーマの問題であれば

背景:通勤による交通渋滞が慢性化

課題:通勤自動車交通量を減らすこと

解決策:テレワークの普及

のように利用できます。

 

②公園のような道路に人が溢れる

  • 旅行、散策など楽しむ移動や滞在が増加
  • 道路がアメニティ空間としてポテンシャルを発揮

 

③人・モノの移動が自動化・無人

  • 自動運転サービスの普及によりマイカー所有のライフスタイルが過去のものに
  • eコマースの浸透により、物流の小口配送が増加し、無人物流も普及

 

④店舗(サービス)の移動でまちが時々刻々と変化

  • 飲食店やスーパーが顧客の求めに応じて移動し、道路の路側で営業
  • 中山間地では、道の駅と移動小型店舗が住民に生活サービスを提供

 

⑤「被災する道路」から「救援する道路」に

  • 災害モードの道路ネットワークが交通・通信・電力を途絶することなく確保し、人命救助と被災地復旧を支援

 

<道路行政が目指す「持続可能な社会の姿」と「政策の方向性」>

※論文ではここが「解決策」に該当しそうな内容です。

1.日本全国どこにいても、誰もが自由に移動、交流、社会参加できる社会

①国土をフル稼働し、国土の恵みを享受

(具体イメージ)

・走行性や耐災害性を備えた幹線道路ネットワークが全国を連絡し、骨格となる幹線道路に設置された自動運転車の専用道等で自動運転道路ネットワークを形成

・道路インフラがコネクテッドカーに対し、交通状況、利用可能な駐車場、休憩のための立ち寄り施設等の情報を車両単位で提供し、最適経路に案内

AIによる需要予測を活用した経路や利用時間帯の分散と、リバーシブルレーン等の可変式道路構造が、繁忙期の高速道路の渋滞を解消

・料金所を必要としないキャッシュレス料金システムが、区間、車線、時間帯別の変動料金により混雑を解消し、高速道路の稼働率を最大化

※渋滞解消の解決策に利用できそうな内容です。

 

②マイカーなしでも便利に移動できる道路

イカーなしでも便利に移動できるモビリティサービス(MaaS)がすべての人に移動手段を提供

 

③交通事故ゼロ

(具体イメージ)

ライジングボラード等が生活道路への通過交通の進入を制限するとともに、速度制限機能を備えた車が普及

・防護柵や段差等の障害物をなくし、横断距離を短くした横断歩道や休憩用のベンチ等を設置することで、誰もが歩きやすい空間を構築

・コネクテッドカーから得られる走行データを活用して、安全運転するドライバーの保険料を低減する仕組みが普及し、ドライバーの運転マナーが改善

・「生活道路は人が優先」という意識が国民に深く浸透することで、子供が遊べ、高齢者が散歩・休憩し、大人が立ち話をできるような道路空間を形成

※交通事故減少の解決策に利用できそうな内容です。

 

④行きたくなる、居たくなる道路

まちのメインストリートが、行きたくなる、居たくなる美しい道路に生まれ変わり、賑わいに溢れたコミュニティ空間を創出

 

2.世界と人・モノ・サービスが行き交うことで活力を生み出す社会

⑤世界に選ばれる都市へ

卓越したモビリティや賑わいと交流の場を提供する道路空間が、投資を呼び込む国際都市としての魅力を向上

 

⑥持続可能な物流システム

(具体イメージ)

・国際海上コンテナ貨物の増加や、船舶の大型化等による基幹航路の再編等に対応し、幹線道路ネットワークの機能や港湾等との連絡が強化された国際物流ネットワークが形成

・幹線道路や物流拠点等から得られる物流関連ビッグデータがデータプラットフォームを通じて物流の共同化等を支援

・専用道路とそれに直結するインフラ(連結・解除拠点、充電スポット・水素ステーション等)が高速道路に整備され、隊列走行や自動運転トラック輸送が全国展開

・ロボットやドローン配送等を可能とする道路空間とその3次元データ、利用ルールが整備され、ラストマイル輸送が自動化・省力化

※物流関連の解決策に利用できそうな内容です。

 

⑦世界の観光客を魅了

日本風景街道、ナショナルサイクルルート、道の駅等が国内外から観光客が訪れる拠点となり、多言語道案内などきめ細かなサービス提供がインバウンドや外国人定住者の利便性・満足度を向上

 

3.国土の災害脆弱性とインフラ老朽化を克服した安全に安心して暮らせる社会

⑧災害から人と暮らしを守る道路

(具体イメージ)

・太平洋・中央・日本海の縦貫道、これらを連絡する横断道、都市圏の環状道路においてトンネル、橋梁、盛土等の構造物の耐災害性能を統一的に確保し、災害時にもネットワークとして速やかに機能

・無電柱化された道路が停電なく電力供給や通信を確保し、緊急輸送道路としても機能

AIカメラ等が交通の状況を常時モニタリングし、災害やパンデミック発生時には情報提供や交通誘導により人流・物流を最適化

・災害モードの高速道路が、浸水エリアにおける避難スペース、被災地アクセス用の緊急出入口を提供。道の駅やSA/PA 等が、避難場所、救援拠点、物資中継基地として機能

※災害関連の解決策に利用できそうな内容です。

 

⑨道路交通の低炭素化

(具体イメージ)

・道路インフラの電源が再生可能エネルギーに転換。新技術・新材料の活用や緑化等により、道路の整備から管理に至るライフサイクル全体を通じて二酸化炭素の排出が抑制

・非接触給電システムや水素ステーションが、道路施設として適正配置され、電気自動車や燃料電池車への転換が加速

・低炭素公共交通システムとして、自動運転化されたBRTバス高速輸送システム)やBHLS路面電車なみの機能を備えた次世代バスサービス)が専用レーンを運行

・シェアサイクルポート、駐輪場、自転車道ネットワーク等、安全で快適な自転車利用環境が整備

地球温暖化防止関連の解決策に利用できそうな内容です。

 

⑩道路ネットワークの長寿命化

(具体イメージ)

・AIや新たな計測・モニタリング技術、施工手間を縮減する新材料、点検箇所を減らす新構造等の活用により、道路の点検・診断が自動化・省力化

・道路管理用車両等の自動化により、道路清掃、落下物回収、除草、除雪等の維持管理作業が省力化

・道路管理者が連携して計画的な点検・修繕、道路施設の集約化・機能縮小を行うことで、地域の道路ネットワーク機能が持続的に維持

・道路協力団体等が参画し、地域の道路のきめ細かな維持管理が実現

※道路維持管理関連の解決策に利用できそうな内容です。

 

<ビジョン実現に向けたチャレンジ>

※論文ではここが「リスク対策」などとして利用できそうな内容です。

①道路行政のデジタルトランスフォーメーション(DX

 

ビッグデータAIの利活用

常時観測を基本とする新たな調査から得られる交通データや道路メンテナンスに係るデータやAIの利活用が、今後の道路政策の深化の鍵となる。産学官が連携し、ビッグデータのプラットフォーム構築や利用のルールづくりを行うべきである。

 また、これらを適切に実施するために、道路管理者はデータサイエンス・エンジニアリングに係る技術力向上に努めるべきである。

 

③新技術の開発・活用

新技術の開発・活用について、道路行政はオープンイノベーションを推進するとともに、新技術を積極的に活用するマインドに転換することが必要である。

 今後、道路はインフラとしての従来の役割に加え、人やモビリティと生活をつなぐ通信・エネルギーインフラとしての役割が一層重要となる。都市そして国家の国際競争力を強化するため、産学官が連携して戦略的に研究開発を行う体制を構築すること、高速道路会社や地方整備局等の現場を活用してリーディングプロジェクトを形成・実施することを検討すべきである。

 

④多様な主体・計画との連携

 道路施策の検討・実施にあたり、国土計画や交通計画等の関係計画との整合や連携を図ると同時に、計画・整備・運用・維持管理等の各段階や研究レベルにおいて、道路管理者同士の連携はもちろん、地域や民間、大学等の教育機関等、多様な主体との連携強化が重要である。

 また、国民や利用者の方々との対話を通じ、道路空間のあり方や利活用について幅広く意見を聴取するとともに、地域の道路協力団体等から地域独自の知恵をいただく必要があり、更に地域主体で日常使用している道路の維持管理を行っていただくなど、住民の方々に道路との関わりを感じてもらう工夫も検討していくべきである。

 

⑤本ビジョンに対する理解と共感

 

⑥予算・財源

 高速道路、一般道路を問わず、その整備・管理の着実な実施のため、安定的・ 持続的な予算・財源の確保が重要である。

 特に、今後、増大が予測される維持修繕・更新の費用の他、自動運転やコネクテッドカーの進展に伴い増大するデータ通信費用の負担のあり方についても検討が必要である。これらの費用を的確に予測しつつ、受益と負担の考え方に則り、その費用を賄うために必要な予算・財源を確保することを検討する必要がある。

 

 

<論文での活用>

上記をうまく活用できると高評価論文が記述できるかと思います。

特に選択問題Ⅲとして活用できそうです。

出題されるテーマによって使い分けができるよう訓練しておきましょう。 

 

少しでも参考になったのであれば幸いです。

以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。