「ズバリ予想!」は、やはりピタリとは当たらないですね。当たり前ですが・・・
ある程度範囲を絞るためには役に立つでしょうが・・・この程度が限界みたいです。
もっと範囲を絞った予想ができれば、もっと楽に合格へ導けるのですが・・・
道路科目は出題範囲が広範囲という印象は変わらないですね。
想定外の問題も出題されますし・・・簡単には合格させてくれません。
問題文の設問条件がわかりにくい印象もありますが、標準的な問題が出題されているのも事実です。
昨年よりは記述しやすかったという受験生もいたことでしょう。
それでは、予想キーワードと実際出題された試験問題を比べてみたいと思います。
①必須科目Ⅰ-1
試験問題は「国土形成計画」についてでした。
この問題に対応するための知識としては試験問題文中にもある「第三次国土形成計画」となるでしょう。
これは予想できなかったですね・・・。
あまりにも膨大な資料で予想問題を作るのも困難だったため除外したのですが・・・
なんとなくネットワークについて記述すれば合格点?と思って選択した受験生もいたかと思いますが、資料に沿った内容じゃないと評価してもらえないでしょう。
逆の発想で、資料の内容が膨大で広範囲なので、一般論を述べても合格点がもらえる可能性もあります。
A評価をもらった論文を見ないことには判断できないですね。
こちらを選択した受験生は少なかったかと思います。
②必須科目Ⅰ-2
試験問題は「災害後のDX活用」に関する出題でした。
この問題に対応するための知識としては「インフラ分野のDXアクションプラン(第2版)」などが該当するでしょう。
予想キーワードとして「DX」「災害」を挙げていましたが、災害後に限定したDXを準備していた受験生は少なかったかと思います。
その場で、災害後に活用できるDXが浮かぶかどうかで勝負が決まったことでしょう。
DXアクションプランの個別施策を3~4個暗記して満足していた受験生には対応できなかったかと思います。
また、問題文もちょっと解釈が難しいです。
・災害発生後
・インフラなどの復旧・復興を迅速かつ効率的に進める
これらに該当するDXについて述べよと私は解釈しています。
災害後の情報収集や応急復旧を迅速化・効率化できるDXが解決策候補になると考えています。
なので、
・事前防災
・避難
・ソフト対策
などは評価対象外という認識でいます。
実際はどうなのでしょうか・・・
色々な意見がでてきそうです。
③選択科目Ⅱ-1-1
試験問題は「車道の曲線部の拡幅」についてでした。
予想キーワードとして「道路構造令」とざっくり挙げていましたが・・・
この手の問題は実際に携わっている技術者でないとわからないというのが本音でしょう。
私の受講生には道路構造令の「曲線部拡幅」を予想キーワードとして伝えてはいましたが・・・
信じて準備していた受講生は何人いたでしょうか。
4つの問題のうち1つだけ選択し解答すればよいので、この手の設計業務に携わっていない技術者は無理に選択することはなかったかと思います。
④選択科目Ⅱ-1-2
試験問題は「自動運行補助施設」についてでした。
これはR3試験時に予想した話題ですね・・・。
最近のⅡ-1-2問題は少し古い話題になってきましたね。
2~3年前の話題にも注目しなくてはいけませんね。
⑤選択科目Ⅱ-1-3
試験問題は「アスファルト舗装の詳細調査」についてでした。
これは、日本道路協会が令和5年3月に出版した「アスファルト舗装の詳細調査・修繕設計便覧」の知識でした。
予想キーワードとして「詳細調査・修繕設計便覧」を挙げていましたので、書籍を手に入れた受験生は準備できたかと思います。
⑥選択科目Ⅱ-1-4
試験問題は「補強土壁」についてでした。
実際に携わっている技術者ならラッキー問題だったのでしょうね・・・
擁壁の種類まではさすがに予想できないですね。
⑦選択科目Ⅱ-2-1、2
選択科目Ⅱ-2の問題は応用能力に関するものとして、今までの経験に基づいたマネジメント能力やリーダーシップ能力が問われます。もちろん最低限の知識は必要ですが、机上だけの技術者ではなく実際の業務に携わっている経験が必要になります。自分自身だけでなく会社として携わっている業務、第三者の体験談などから常に情報を収集し、整理しておくことが大事です。
言い訳になってしまいますが、問題そのものを予想するのは困難かと思います。
今年度は「BRTの導入」「橋梁点検」の話題でしたが、大半の受験生は何となく知っていて何となく記述できたというのが現実なのではないでしょうか。
予想キーワードとして「BRT」「道路橋」を挙げていましたので、ある程度の知識は準備できたかと思います。
特にBRTは「道路空間を活用した地域公共交通(BRT)等の導入に関するガイドライン」がR4年9月に公表されています。
私の受講生には、このガイドラインを予想キーワードと伝えておきましたが・・・
この資料に目を通していたかどうかで点数に差がつきそうです。
出題形式がパターン化されてきましたので、過去問をしっかりこなしておけば、それなりの準備・対応は可能かと思います。
Ⅱ-2は合格点が取れなくても、それなりの点数が取れれば、結果的に合格できますので、最後までしっかり書き切ることが大事です。
⑧選択科目Ⅲ-1
試験問題は「次世代の高規格道路ネットワーク」についてでした。
この問題に対応するための知識としては「高規格道路ネットワークのあり方 中間とりまとめ(WISENET)
」となるでしょう。
予想キーワードとして「ネットワーク」を挙げていました。
私の受講生には予想問題を提供していましたので、しっかり準備ができていたと思います。
この話題は出題確率が高かったので、サービス問題に感じた受験生もいたかもしれません。
⑨選択科目Ⅲ-2
試験問題は「災害時の迅速な道路啓開」についてでした。
予想キーワードとして「災害」を挙げていましたが、このような形で出題されるとは・・・
おそらく、これにズバリ対応する資料などは公表されていないと思いますが・・・北陸地整や総務省の報道資料とかが参考になるのでしょうか・・・。
道路啓開計画から一般論を述べればよいのでしょうか・・・
現在、調査中です。
○まとめ
一言で言うと、「能登半島地震に関する出題が多かった」でしょうか。
まだ対応中なので、来年度試験問題のメインテーマになるかと思っていましたが・・・
昨年度も災害関連の出題があったので、さすがに2年連続はないだろうと思っていましたが・・・
内容も変化球で出題してきましたね。
災害対応に技術士が必要という強い意志が感じられますね。
また、2024年問題についての出題がなかったのが不思議です。
他の科目の選択問題で出題されていたので、建設部門の必須、道路の専門ではないと判断されたのでしょうか・・・
本来必要な幅広い知識と応用能力が求められる傾向が強い出題内容です。
今年度の傾向として、必須科目Ⅰで苦しんだ受験生が多かったと思われます。
受験生は「公務員」「建設コンサル」「建設会社」など様々な立場で受験していますので、問題内容に不公平、偏りがないことが大事になります。
専門的過ぎる問題文内容もありますが、全体バランスはしっかり取れているかと思います。
大半の受験生の方々は「出題範囲が広く対応できない」と思いますが、合格者はそれでも対応しています。
キーワードが全然頭に浮かばなかった受験生は基本的に「勉強不足」「応用能力不足」と思ってください。
キーワードは浮かんだけど論文として記述できなかった受験生は「手書き論文訓練不足」です。
記述できたけどA評価をもらえない受験生は「自己満足タイプ」が多いです。
自分がどの状態なのか、不合格原因をしっかり把握し来年につなげる努力も技術士には必要です。
既に来年度に向けてスタートしている受験生もいるのですから。
「継続することが合格への一番の近道」です。
途中であきらめると一からやり直しです。
合格するまでやり続けましょう。