【Kさま】からA評価論文をご提供していただきました。
受験生の方はぜひ参考にしてください。
1.BRT導入に向けた調査・検討事項
(1)調査事項
①資料調査:立地適正化計画、地方公共交通計画、既存路線バスのサービス水準、乗降者数・特性、沿線人口、住基データ、将来推計、土地利用など
②現地調査:地域住民意見、測量、道路横断構成、中央帯の有無、橋梁やカルバートなどの幅員、停留所の形状、連節バス対応のバス停に拡張する場合の支障物(照明柱、電線共同溝地上施設など)
③交通調査:交通量(大型車、自動車、自転車、歩行者)、事故発生個所など
(2)検討事項
①基本計画:地域の課題に対するBRTへの要求性能(速達性、定時制、輸送力)、概略ルート、トータルデザイン(停留所、車両)、工程、標準断面
②個別計画:道路改修設計(走行レーン、停留所、交差点など)、車両・運行管理システム・情報案内システムの設計、工事工程、施工ステップなど
③通行規制計画:施工ステップに応じた通行形態、規制範囲、期間、時間帯など
2.業務手順
(1)調査・分析
①前述した項目を調査し、制約などを分析抽出する。
②留意点は、住民の移動ニーズとバス運転士不足である。移動の多くは派生需要であり、また2024
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年問題で運転不足が加速化しているためである。
③工夫点は、基幹軸設定と路線再編である。利用の多い路線区間の基幹軸設定、複数の運転士で並走する各系統をBRTとして集約、これで生み出した運転士の余力の郊外路線に再配置など効率化する。
(2)検討・設計・協議
①調査・分析結果を活用し、前述した項目を検討し、設計と関係者協議を進める。
②留意点は、BRT専用走行路による渋滞である。理由は、専用走行路が車道幅員を狭めるためである
③工夫点は、交通シミュレーションである。交通断面が確保できない場合は、HOV・バス優先レーン、PTPSの整備、連節バスによる大量輸送を整備する。商工会と協議し、モビリティマネジメント、エコ通勤補助による公共交通転換も促進する。
3.調整方策
(1)地域関係者:連絡調整会議
計画段階から地域コミュニティ、自治会、商工会、議員、道路管理者、交通管理者などと課題共有や設計内容など段階的に合意形成を図りながら進める。
(2)交通管理者:警察協議
連絡調整会議の内容共有や、交通事故多発箇所へのアドバイスを受け、設計に反映させる。生活道路の通過交通増加が予測される場合、ゾーン30プラス設定を道路管理者や自治会とあわせて協議する。
以上
※コメント
項目整理が非常に見やすいので読み手にはっきり伝わります。
「道路空間を活用した地域公共交通(BRT)等の導入に関するガイドライン」に概ね沿った内容であり、得点も取れた論文かと思います。