技術士第二次試験を受験するに当たって、覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「カーボンニュートラル」について記述します。
基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。
内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。
暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。
このキーワードが知識問題として出題されるわけではありません。
この記載内容を利用して必須科目Ⅰや選択科目Ⅲの論文に活用してください。
詳細のリンク先は以下のとおりです。
カーボンニュートラルに向けた道路分野の貢献について
https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001387167.pdf
<運輸部門のCO2排出量>
※課題部分の背景(現況)として活用できそうです。
〇我が国のCO2排出量のうち約2割を運輸部門が占め、うち約9割が自動車に起因
〇運輸部門の2018年度のCO2排出量は2.1億トン、2030年度の目標は1.6億トン
<道路分野におけるCO2排出量>
※課題部分の背景(現況)として活用できそうです。
〇道路に関するCO2は、通行車両からの排出が多い
①道路利用(通行車両が排出)
自動車からCO2排出量 → 約1億8,100万t-CO2/年
②道路整備・管理(整備・管理におけるエネルギー消費で排出)
道路照明灯などの電力消費に係るCO2排出量 → 約140万t-CO2/年
生コンクリート製造に係るCO2排出量 → 約180万t-CO2/年
道路工事に係るCO2排出量 → 約300万t-CO2/年
③道路緑化(道路空間の緑化による二酸化炭素吸収)
道路緑化による二酸化炭素吸収効果 → 約38万t-CO2/年
<道路インフラの電力消費量と再エネ発電>
※課題部分の背景(現況)として活用できそうです。
〇道路における電力消費量は年間約3千GWh(平成25年度)
〇そのうち、道路区域内の再生可能エネルギー発電施設による発電量は、約0.4%のみ(R元年度実績)
↓
道路インフラの省エネ化、グリーン化が必要
<地球温暖化対策「緩和策」と「適応策」>
〇地球温暖化の対策は、以下の2つの対策に大別
①温室効果ガス排出量を抑制(または樹木による吸収量を増加)する「緩和策」
②気候変動に伴う様々な影響に対処する「適応策」
<道路分野におけるカーボンニュートラルヘの貢献>
※課題として活用できそうです。
〇2050年カーボンニュートラルに向けて、道路分野でもCO2の排出量を大きく削減させるとともに、吸収量を増加させるなど、取組を加速する必要がある
<排出量の削減>
観点:道路利用
課題①:自動車に使用する化石燃料の消費の低減を図る
観点:道路整備・管理
課題②:道路整備・管理に使用する化石燃料由来のエネルギー消費を抑制しつつ、道路インフラに使用する電力を再生可能エネルギーに転換
<吸収量の向上>
観点:道路緑化
課題③:道路緑化による吸収の促進
<2050年カーボンニュートラルに向けた道路分野の取組>
※論文では「解決策」として活用できそうです。
課題①に対しての取組
〇電動車普及に向けた環境整備
・充電施設の道路内配置の普及
道路占用による道の駅・SA/PAや公道における充電施設等の設置を普及
・充電施設への案内を推進
充電が困難な自動車専用道路や充電施設が少ない地域等において充電施設の案内を推進
・走行中ワイヤレス給電の検討
ワイヤレス給電(充電) 技術は世界で研究が進められており、日本でも技術開発が必要
比較的走行距離が短いEVの長距離走行を支援するため走行中のワイヤレス給電技術を検討
〇スマート交通・グリーン物流の推進
・道路交通流対策の推進(環状道路等ネットワークの整備、渋滞対策)
道路ネットワークの整備により走行速度を向上し省エネ化
・道路システムのDXの推進(ETC専用化によるキャッシュレス化等)
道路システムのDXの推進等により走行速度を向上し省エネ化
・トラック輸送の効率化(ダブル連結、隊列走行)
ダブル連結トラック等による物流の効率化によりCO2の削減・省エネ化を実現
・公共交通の利用促進(MaaS、BRT等)
MaaSの普及に必要な基盤づくり等を推進し公共交通の利用を促進
・自転車の利用環境の整備と活用促進
自転車通行空間の整備と企業等の自転車通勤を促進することで自転車の活用を促進
課題②に対しての取組
〇道路インフラの省エネ化、グリーン化
・LED道路照明の普及促進、道路照明の更なる省エネ化、高度化
道路照明のLED化を推進するとともに、センシング技術等を活用し更なる省エネ化を推進
・道路管理における太陽光発電や水素燃料の活用
道路管理に活用するエネルギーの再生可能エネルギー等への転換を促進
・建設施工の低炭素化
建設施工における低炭素化のため、ICT施工の推進や革新的建設機械の導入拡大を図る
・低炭素材料の導入(CO2吸収コンクリート)
低炭素材料の動向を調査、課題等を把握し、導入可能性を検討
課題③に対しての取組
〇グリーンインフラの整備
・グリーンインフラの計画・整備・維持管理等に関する技術開発(緑化、緑と雨水貯留浸透と組み合わせた雨庭等)を推進
道路緑化を推進することで景観向上、環境保全機能、緑陰形成等にも効果
<論文での活用>
上記をうまく活用できると高評価論文が記述できるかと思います。
特に選択問題Ⅲとして活用できそうです。
出題されるテーマによって使い分けができるよう訓練しておきましょう。
少しでも参考になったのであれば幸いです。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。