技術士第二次試験を受験するに当たって、覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は令和4年12月2日に記者発表された「総力戦で取り組むべき次世代の「地域インフラ群再生戦略マネジメント~インフラメンテナンス第2フェーズへ~」について記述します。
試験に出題されやすい「維持管理・更新等」の話題ですので、しっかり理解しておきましょう。
基本は国土交通省などのネット情報などを集約・抜粋したものです。
内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。
暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。
このキーワードが知識問題として出題されるわけではありません。
この記載内容を利用して必須科目Ⅰの論文を作成するための基礎知識をインプットするために活用してください。
リンク先は以下のとおりです。概要版もあります。
https://www.mlit.go.jp/report/press/sogo03_hh_000288.html
<これまでの10年間(第1フェーズ)の取組達成状況と今後の課題>
①メンテナンスサイクルの確立
<取組状況>
予防保全の効果の推計、点検が一巡し早期に措置すべき施設の全体像の把握、個別施設計画を概ね策定等
<今後の課題>
新技術による効果を踏まえた推計、個別施設計画の充実等
②施設の集約・再編等
<取組状況>
ガイドライン・マニュアルの整備、集約・再編の財政支援等
<今後の課題>
新技術活用や機能の付加・向上なども含めた効率的・効果的な集約・再編等
③多様な契約方式の導入
<取組状況>
地域維持型契約方式、包括的民間委託の導入支援等
<今後の課題>
広域や複数主体による連携や包括的民間委託を含めた契約方式の工夫等
④技術の継承・育成
<取組状況>
資格制度の構築、研修による人材育成等
<今後の課題>
登録資格のさらなる活用と技術水準の高度化等
⑤新技術の活用
<取組状況>
インフラメンテナンス国民会議、新技術活用促進に向けた手引き等
<今後の課題>
ニーズとシーズのマッチング強化、ニーズに即した研究開発等
⑥データの活用
<取組状況>
各分野でのデータベース整備、国土交通データプラットフォーム等
<今後の課題>
データのオープン化による高度利用促進、情報を活用したマネジメントサイクルの確立等
⑦国民の理解と協力
<取組状況>
インフラメンテナンス大賞等
<今後の課題>
優れた取組の周知、国民の理解向上、メンテナンス分野の魅力拡大、トップダウンによる推進等
<これから(2022年~;第2フェーズ)取り組むべき施策の方針>
※課題を抽出するための現状として確実に把握しておきたい内容です
<10年間の取組を踏まえた現状認識>
高度経済成長期以降に整備してきたインフラ施設が老朽化局面を迎える一方、職員に技術者のいない、もしくは僅少な市区町村が少なくなく、財政力や技術力等にも格差が存在している。
このようにインフラメンテナンス体制のリソースが限られた中ではあるが、インフラ施設の必要な機能・性能を維持し国民・市民からの信頼を確保し続けることは、国民の安全・安心かつ豊かな暮らしを実現する上で必要不可欠な要素の一つであることから、依然として多数存在する事後保全段階にある施設の補修・修繕を着実に進めていくとともに、予防保全の考え方に基づいたインフラメンテナンスに速やかに転換することは喫緊の課題である。
一方で、市区町村が抱える財政面、体制面の課題や、人口減少、DX進展等の社会情勢の変化に応じて適確にインフラ機能を発揮させる必要があることを踏まえると、個別インフラ施設のメンテナンスを継続するだけではなく、発展させた考え方のもと、インフラ施設の必要な機能・性能を維持し国民・市民からの信頼を確保し続けた上で、よりよい地域社会を創造していく必要がある。
<新たな取組の展開 ~『地域インフラ群再生戦略マネジメント』~>
上記の現状認識を踏まえると、個別インフラ施設の修繕を重ね、長寿命化を図ることを基本としつつも、複数・広域・多分野のインフラ施設を「群」として捉え、将来必要とされるインフラ群の機能と現状の性能を踏まえつつ、更新(機能向上を伴う場合を含む)、集約・再編、新設も組み合わせて検討していくことが求められる。その際、各市区町村のマスタープランや立地適正化計画、その他独自の地域戦略等において示された地域の将来像に基づき、広域地方計画や地方ブロックにおける社会資本整備重点計画などの広域的な計画とも整合を図った上で、総合的かつ多角的な視点から戦略的に地域のインフラをマネジメントするための計画策定を行うとともに、計画が着実に実施されるよう、市区町村が実施する業務の標準化を行いつつ効率的・効果的にマネジメントすることが求められる。
このような、インフラマネジメントにおける計画策定プロセス及び実施プロセスの新たな取組として『地域インフラ群再生戦略マネジメント』(以下「戦略マネジメント」)を進める必要がある。
戦略マネジメントにおいて、複数・広域・多分野のインフラ施設を「群」として捉えることにより、施設管理者の立場からは、一定規模のインフラ施設を一体的・効率的にマネジメントすることが可能となる。
また、インフラ施設は複数・広域・多分野の施設が一体となって機能を発揮することで地域づくりに貢献するものであることからも「群」として捉えることは必要である。加えて、一定規模の業務をまとめて発注することで、より民間の創意工夫、技術開発等の誘因となり、ひいてはメンテナンスの産業化につながることも期待されるとともに、多分野のインフラデータの共有や多分野のインフラメンテナンスに関わる技術者の連携が可能となることを通じて、より効率的なインフラメンテナンスを実現することが期待できる。取組を進めるにあたっては、分野によって予算制度、技術基準等が異なることから様々な課題が生じることが想定されるが、各地域の現状を踏まえつつ、制度等の見直しも含め検討を進める必要がある。
<戦略マネジメントを進めるにあたって>
戦略マネジメントは、事業者及び市区町村がそれぞれ機能的、空間的及び時間的なマネジメントの統合を図ることで持続可能なインフラメンテナンスを実現するものであり、インフラをより広範な手段によりマネジメントする取組でもある。
したがって、行政や事業者の取組に加え、インフラに関係する学術団体等との連携を図りつつ、国民の理解と協力から国民参加・パートナーシップへの進展等も通じた多様な主体による「総力戦」での実施体制を整えた上で、必要な予算の確保に努めつつ、計画的に取り組んでいく必要がある。そして、これらの取組を通じて、よりよい未来社会を創造していくものとなることを期待する。
<第2フェーズで速やかに実行すべき施策>
※課題候補と解決策として把握しておきたい内容です
<実行すべき施策>
※課題候補5つ
(1)地域の将来像を踏まえた地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
(2)地域インフラ群再生戦略マネジメントを展開するために必要となる市区町村の体制構築
(3)メンテナンスの生産性向上に資する新技術の活用推進、技術開発の促進及び必要な体制の構築
(4)DXによるインフラメンテナンス分野のデジタル国土管理の実現
(5)国民の理解と協力から国民参加・パートナーシップへの進展
※以下はそれぞれの解決策候補
(1)地域の将来像を踏まえた地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
① 地域の将来像を踏まえた地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
② 更新、集約・再編に合わせた機能追加
③ 個別施設計画の質的充実等によるメンテナンスサイクル実効性向上
④ 首長のイニシアティブによる市区町村におけるインフラメンテナンスの強力な推進
(2)地域インフラ群再生戦略マネジメントを展開するために必要となる市区町村の体制構築
① 包括的民間委託等による広域的・分野横断的な維持管理の実現
② 市区町村技術者に今後求められる技術力の明確化・強化
③ メンテナンスの生産性向上を図るためのツールの構築
(3)メンテナンスの生産性向上に資する新技術の活用推進、技術開発の促進及び必要な体制の構築
① メンテナンス産業の生産性向上に資する新技術の活用推進、技術開発の促進
② AI・新技術等の活用も見据えた体制の構築
③ 将来維持管理・更新費の推計の見直し
(4)DXによるインフラメンテナンス分野のデジタル国土管理の実現
① 設計・施工時や点検・診断・補修時のデータ利活用によるデジタル国土管理の実現
② インフラマネジメントの高度化に向けたデータ利活用方策の検討
③ セキュリティ対策の推進
(5)国民の理解と協力から国民参加・パートナーシップへの進展
① インフラメンテナンスへの国民・地域の関心の更なる向上
② 優れたメンテナンス活動の横展開の強化
③ メンテナンス活動への国民参加の促進と参加を通じた真のパートナーシップの構築
<論文での活用>
上記をうまく活用できると高評価論文が記述できるかと思います。
特に必須科目Ⅰとして活用できそうです。
出題されるテーマによって使い分けができるよう訓練しておきましょう。
少しでも参考になったのであれば幸いです。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。