【Kさま】からA評価論文をご提供していただきました。
受験生の方はぜひ参考にしてください。
(1)多面的な3つの課題
(1)-1地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開
我が国の道路や河川堤防等の社会インフラの約9割を地方自治体が維持管理を行っている。
膨大な数のインフラを市区町村独自で点検・診断、補修、修繕等の維持管理を実施するには、人員的、体制的に困難な状況である。
このため、いかに行政区域をまとめて捉え、インフラ群を、分野横断的に維持管理を行うかが、地域インフラ維持管理効率化の観点から重要な課題である。
(1)-2メンテナンス産業の育成
我が国の建設産業の中でもメンテナンス産業は施工者が不足しており受注者が不足している状況である。
これは、建設産業が新規建設を中心に発展してきたことが原因の一つと考えられる。
このため、いかにメンテナンス工事の諸経費率見直しによる利益向上や、働き方改革等により、メンテナンス産業の環境改善を図るかが、維持管理の担い手確保の観点から重要な課題である。
(1)-3インフラ維持管理への国民参加
我が国の今後の施設老朽化の加速化により、社会インフラの維持管理を施設管理者の発注する業務等のみで賄うには体制的、予算的に困難な状況にある。
このため、いかにNPO団体やボランティア団体等による維持管理への参加を図り、インフラに対する国
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民理解を図るかが地域インフラの持続性確保の観点から重要な課題である。
(2)最も重要な課題と複数の解決策
(2)-1最も重要な課題
(1)-1地域インフラ群再生戦略マネジメントの展開により地域インフラ群の維持管理の効率化を行うことが、インフラに対する国民の安全・安心を図るため最も重要な課題と考える。
(2)-2複数の解決策
(2)-2-1広域的なインフラ群のマネジメント
複数の市区町村を広域の行政区でまとめて捉え、分野横断的なインフラ群を維持管理の重要度等を踏まえて、点検、診断、補修、修繕、更新、集約・再編等の検討を行う。
維持すべき機能、新たに付加する機能、役割を果たした機能等に分類することで維持管理の効率化を図る。
(2)-2-2包括的民間委託の推進
市区町村の技術職員不足や技術力不足に対応するために地域の民間事業者と連携した包括的民間委託を推進する必要がある。
維持管理の技術的難易度に応じて、委託業者のランク設定、エリア設定をおこなう等の工夫を行う必要がある。
(2)-2-3メンテナンス新技術の活用促進
メンテナンスの新技術やDX活用により、メンテナ
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ンスの生産性向上を図る必要がある。
具体的には、ドローン、AIによる点検・診断、点検支援技術性能カタログの活用、メンテナンスNETIS技術の活用を行うことが必要である。
(3)新たに生じるリスクと対策
(3)-2リスク
地域インフラ群戦略マネジメント実施に当たり、複数の市区町村にまたがって維持管理・更新等を実施することにより、インフラの施工責任の所在が不明確になる可能性がある。また粗雑な施工を行ったことが発見される恐れがある。
(3)-3リスク対策
対策として、維持管理・修繕工事の責任所在を明確に記録するよう工夫を行う。また、長期保証制度の導入などにより施工者の品質確保を促す対策が必要と考える。
(4)技術者に必要な要件
地域インフラ群再生戦略マネジメントを行うにあたり、維持管理の品質確保が国民の安全・安心につながることを留意して責任ある行動を行う必要がある。
また、持続可能な維持管理にあたっては、環境負荷低減に留意した上での計画・実施をPDCAサイクルにより改善していくことが必要である。
加えて、今後の担い手確保のため技術継承を確実に実施することが必要と考える。
以上
※コメント
「提言(総力戦で取り組むべき次世代の「地域インフラ群再生戦略マネジメント」~インフラメンテナンス第2フェーズへ~)」資料に沿って記述されていますので、内容は何も問題ないでしょう。
多面的な視点で課題が記述できていますし、解決策も明確に記述されています。
文字バランスもよいですし、非常に読みやすい論文に仕上がっています。