「ズバリ予想!」は、やはりピタリとは当たらないですね。
ある程度範囲を絞るためには役に立つでしょうが・・・この程度が限界みたいです。
もっと範囲を絞った予想ができれば、もっと楽に合格へ導けるのですが・・・
道路科目は出題範囲が広範囲という印象は変わらないですね。
想定外の問題も出題されますしね・・・簡単には合格させてくれませんね。
特に今年は問題文の設問条件範囲が狭くなった印象です。
作問者が変わった?という感じがします。
となると後2~3年はこの傾向が続くと思われます。
予想キーワードと実際出題された試験問題を比べてみたいと思います。
①必須科目Ⅰ-1
試験問題は「廃棄物に対する循環型社会(建設リサイクル)」についてでした。
この問題に対応するための知識としては「建設リサイクル推進計画2020」などとなるでしょう。
主要課題が3つありますので、まずはここを押さえておかないと高得点には結びつかないかと思います。
予想キーワードとして「地球環境関連」を挙げていましたが、この情報だけでは厳しかったと思います。類似問題は平成24年度に出題され、受講生には「低炭素社会」を予備の予想問題として提供していましたが、この情報だけで循環型社会(建設リサイクル)を勉強していた受講生はほとんどいなかったかと思います。
正直、この問題を大半の受験生は選択しなかったと思います。
私の予想は外れたと反省中です。
出題傾向が変わることを予想していなかったのが原因となります。
問題文の内容が微妙に変化しましたが、しっかり準備してきた受験生は問題なかったかと思います。
問題文(1)では課題を3つと固定したり、「それぞれの観点を明記したうえで」と観点をはっきり書けと変化しました。
「○○という観点から」という表現がないと減点されるでしょう。
②必須科目Ⅰ-2
試験問題は「風水害被害の防止・軽減」に関する出題でした。
この問題に対応するための知識としては「流域治水」が最も関連するでしょう。
予想キーワードとして「流域治水」を挙げていましたので、勉強していた受験生はとりあえず対応できたかと思います。
流域治水でなくても、風水害に対する防災・減災の話題であれば、合格点をもらえるでしょう。
ただ、問題文のキーワードとして「新たな取組を加えた幅広い対策」となっていますので、昔から続いている話題や狭い範囲の課題設定だとA評価は厳しいでしょう。
DXやICTなどの話題でも合格点がもらえるものと予想しています。
これに関しては、大半の受験生がしっかり勉強していたと思います。
問題慣れしていない受験生は「新たな取組」という言葉でパニックになり、動揺したかもしれません。
うわべだけの知識だと言葉の変化に対応できないものです。
必須科目に関しては「知識の差」というよりも、「応用(臨機応変)能力」をしっかり訓練してきた受験生が結果的に合格点を勝ち取ることになりそうです。
必須科目Ⅰは必ずA評価(60点以上)を取らないと合格はありえませんので、そういう意味では今年は比較的厳しい出題テーマだったと思います。
③選択科目Ⅱ-1-1
試験問題は「交通需要推計手法」についてでした。
予想キーワードとして「道路構造令関連」とざっくり挙げていましたが、これは外れました。
この手の問題は実際に携わっている技術者でないとわからないというのが本音でしょう。
4つの問題のうち1つだけ選択し解答すればよいので、この手の設計業務に携わっていない技術者は無理に選択することはなかったかと思います。
選択科目Ⅱ-1に関しては、1つ選択でよくなったので、受験生の負担がかなり軽くなっています。
④選択科目Ⅱ-1-2
試験問題は「特定車両停留施設」についてでした。
予想キーワードとして「自動運転補助施設(道路法等の一部を改正する法律案)」を挙げていましたが、結局は外れました。
昨年、道路法等の一部を改正する法律案のうち、歩行者利便増進道路が出題されましたので、出題されるとしたら自動運転補助施設と予想しましたが・・・裏切られました。
「道路法等の一部を改正する法律案」は昨年予想し、「歩行者利便増進道路」のみをピックアップして出題されたばかりなので、連続で出題されないと思っていました。
新宿バスタなどバスタプロジェクトが大事だと作問者は判断したのでしょう。
道路法等の一部を改正する法律案というくくりで勉強された受験生はうまく対応できたかと思います。
⑤選択科目Ⅱ-1-3
試験問題は「舗装点検要領の使用目標年数」についてでした。
平成29年度問題の再確認問題でした。
今の作問者は過去問類似問題を出題するタイプのようです。
予想キーワードとしては挙げていませんでした。
これも日常的に業務を行っている人でないと難しいですね。
例年Ⅱ-1-3の舗装系問題はちょっと難しい感じがしますが、今年度も予想するのはちょっと難しい内容です。
⑥選択科目Ⅱ-1-4
試験問題は「ICT土工」についてでした。
これも予想キーワードとしては挙げていませんでした。
ですが、ICTについて別論文の訓練としてある程度の知識は備わっていたかと思います。
今年はⅡ-1-2かⅡ-1-4のどちらかをその場でなんとなく記述した受験生が多かったのでは?という気がします。
今年はⅡ-1問題がズバリと当てられなかったことが一番の反省点です。
⑦選択科目Ⅱ-2-1、2
選択科目Ⅱ-2の問題は応用能力に関するものとして、今までの経験に基づいたマネジメント能力やリーダーシップ能力が問われます。もちろん最低限の知識は必要ですが、机上だけの技術者ではなく実際の業務に携わっている経験が必要になります。自分自身だけでなく会社として携わっている業務、第三者の体験談などから常に情報を収集し、整理しておくことが大事です。
言い訳になってしまいますが、この問題を予想するのは困難かと思います。
今年度は「生活道路を含めた緊急的交通安全対策」「高速道路橋梁工事」の話題でしたが、大半の受験生は何となく知っていて何となく記述できたというのが感想なのではないでしょうか。
出題形式がパターン化されてきましたので、過去問をしっかりこなしておけば、それなりの準備・対応は可能かと思います。
生活道路を含めた緊急的交通安全対策は最近、審議会などで取り上げられていた記憶がありますので、それに沿った解答が高得点の条件になったかと思います。
⑧選択科目Ⅲ-1
試験問題は「降雪に伴う大規模な車両滞留防止」についてでした。
この問題に対応するための知識としては「大雪時の道路交通確保対策 中間とりまとめ」などとなるでしょう。
予想キーワードとして「大雪」を挙げていましたので、大半の受講生は対応できたと思います。
平成30年度にも類似問題が出題されていますが、書くべき内容は全く異なったはずです。
単純な過去問類似問題ではなかったかと思います。
⑨選択科目Ⅲ-2
試験問題は「暫定2車線」についてでした。
予想キーワードとしては挙げていなかった内容です。
類似問題が平成29年度に出題されています。
この問題は大きくは変わっていませんので、過去問で訓練した受験生は対応できたかと思います。
暫定2車線問題は何となく資料を見たこともあるかと思いますし、課題・解決策も何となく浮かんでくるので、その場で対応した受験生もいたかと思います。
○まとめ
過去問の類似(応用)問題が増え、出題範囲も狭くなった印象です。
受験生は「公務員」「建設コンサル」「建設会社」など様々な立場で受験していますので、問題内容に不公平、偏りがないことが大事になります。
専門的過ぎる問題内容という部分もありますが、全体バランスはしっかり取れているかと思います。
大半の受験生の方々は「出題範囲が広く対応できない」と思いますが、合格者はそれでも対応しています。
キーワードが全然頭に浮かばなかった受験生は基本的に「勉強不足」と思ってください。
キーワードは浮かんだけど論文として記述できなかった受験生は「手書き訓練不足」です。
記述できたけどA評価をもらえない受験生は「自己満足タイプ」が多いです。
自分がどの状態なのか、不合格原因をしっかり把握し来年につなげる努力も技術士には必要です。
既に来年度に向けてスタートしている受験生もいるのですから。
「継続することが合格への一番の近道」です。
途中であきらめると一からやり直しです。
合格するまでやり続けましょう。