技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。
問題文
平成27年に道路土工構造物技術基準が制定された背景を説明せよ。また、この技術基準のポイントを2つ挙げ、具体的に説明せよ。
問題文把握
まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。
今回の場合は
1.制定された背景
2.技術基準のポイント 2つ(1つでも3つ以上でも減点対象になる)
の2つの項目に分類されるかと思います。
(この問題文には「キーワード」が特に無いので、キーワードを意識して解答を考える必要はないでしょう。)
上記を無視した解答は仮に内容が優れていても、大きく減点されるでご注意を。
論文構成としては
1.背景
〇〇〇〇〇
2.ポイント
①〇〇〇〇〇
②〇〇〇〇〇
のような構成が一般的となります。
アンダーラインの有無や1ではなく①や(1)や(a)のような表記でも問題ありません。
記述内容
記述内容の例を簡単に記載しますと
1.背景
・これまで、道路土工構造物について、国の技術基準はなし
・技術の進歩により、従来は築造されなかった高盛土、大規模なカルバート等、損傷すると社会的に大きな影響が生ずるおそれがある構造物が増加
・排水不良等による損傷事例が増加
上記のようなことから、安全性に関する明確な基準の必要性が高まった。
2.ポイント
①要求性能を明確化
新しい形態、修復が難しい構造物が増加した。そのため、安全性のみならず、使用性、修復性を踏まえた要求性能を規定した。
②降雨・地震動を作用として明確化、排水処理設計を明確化
降雨や地震動により、発生する土中の水処理の不良による構造物損傷が増加した。そのため、降雨、地震動を含めた作用を考慮した設計を求めるとともに、降雨、地震動のレベルを規定した。また、排水処理設計の実施を規定した。
(2つなので本番ではここまでの記載で完了。おまけとして以下にその他を記載します)
③連続構造物との要求性能の整合を明確化
橋梁取り付け部の盛土等、相互の要求性能の不一致による全体としての要求性能が不統一であった。そのため、要求性能を選定する際には、連続する構造物の要求性能との整合を規定した。
④現地に応じた設計変更の必要性を明確化
建設発生土等の使用の増加等、材料の変化にともない、不適合箇所への難透水性土質の利用、使用材料変更に応じた設計変更を行わず施工する等の問題が発生した。そのため、施工にあたっては設計において定めた施工条件に従うことを規定し、施工条件が変わったときには設計変更を行うことを明確化した。
(文字数オーバーにならないよう解答個数や文字数を調整する必要あり)
まとめ
1番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。
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