技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。
問題文
既設舗装を原位置で再生する路上再生工法の1つに、路上路盤再生工法がある。この路上路盤再生工法について、工法の概要、特徴及び適用に関する留意点を説明せよ。
問題文把握
まずはしっかり問題文を読み込み、何を何個解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。
今回の場合は
1.工法の概要
2.特徴
3.適用に関する留意点
の3つの項目に分類されるかと思います。
(この問題文には「キーワード」が特に無いので、キーワードを意識して解答を考える必要はないでしょう。)
上記を無視した解答は仮に内容が優れていても、大きく減点されるでご注意を。
論文構成としては
1.概要
〇〇〇〇〇
2.特徴
〇〇〇〇〇
3.留意点
〇〇〇〇〇
のような構成が一般的となります。
アンダーラインの有無や1ではなく①や(1)や(a)のような表記でも問題ありません。
記述内容
記述内容の例を簡単に記載しますと
1.概要
路上において既設アスファルト混合物層を現位置で破砕し、同時にこれをセメントや瀝青材料などの安定材と既設粒状路盤材とともに混合、転圧して、新たに安定処理路盤を築造するものである。また既設アスファルト混合物層をすべて取り除き、既設路盤材料のみに安定材を添加して新たに安定処理路盤を築造する場合も含めるものとする。セメントを用いた路上再生セメント安定処理、セメントおよび石油アスファルト乳剤を用いた路上再生セメント・アスファルト乳剤安定処理、セメントおよびフォームドアスファルトを用いた路上再生セメント・フォームドアスファルト安定処理がある。
2.特徴
・全断面打換え工法と比較して舗装発生材が少ない
・全断面打換え工法と比較して施工速度が速く、工期短縮が図れる
・全断面打換え工法と比較してコスト縮減が図れる
・かさ上げを行うことなく舗装の構造強化が図れる
・舗装発生材や路盤材料などの運搬量が少ないことから、施工時のCO2排出量の抑制が期待できる
3.留意点
①道路幅員、通行止めの可否
この工法では数多くの大型機械を使用するので、狭隘箇所や通行止め、迂回路確保が困難な箇所には適さない。
②埋設物の有無と深さ
この工法では10~30cmの深さを混合するため、浅い位置に埋設物がある箇所には適さない。
③既設アスファルト混合物の厚さ
この工法では既設アスファルト混合物を破砕するため、極端に舗装厚が厚い箇所では破砕が困難なため適さない。また、舗装厚や交通量によって適用する施工方式が変わるので留意する。
④かさ上げの可否
この工法の基本は既設路面高さより完成路面高さが高くなるので、路肩側溝などへの擦り付けが不可である箇所では舗装発生材が多くなってしまうため適さない。ただし、事前処理として路面切削や破砕後に余剰分を撤去して対応することもできる。
(文字数オーバーにならないよう解答個数や文字数を調整する必要あり)
補足
1番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。