技術士第二次試験を受験するに当たって、覚えて(理解して)おきたいキーワードとして、今回は「国道(国管理)の維持管理等に関する検討会」について記述します。
基本は国土交通省などのネット情報などを集約したものです。
内容をきちんと理解することにより、どんな問題にも対応できるかと思います。
暗記をするのではなく、理解してこそ論文に活かせるようになります。
参考
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/road_maintenance/index.html
https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/road_maintenance/doc06.html
<状況>
令和元年9月20日、約6年ぶりに「第6回 国道(国管理)の維持管理等に関する検討会」が開催。中間とりまとめを行った。
<国道(国管理)の維持管理の課題と新たな取り組み事例>
※具体的な施策として利用しましょう
①地域と連携した維持管理(各団体との連携)
道路協力団体等の民間団体等との連携を強化し、より一層魅力的な道路空間を創造し、道路清掃や除草など、維持管理の課題に対応。
・道路協力団体
民間団体との連携強化による道路管理の一層の充実(道路の清掃等の身近な課題の解決や道路利用者のニーズへのきめ細やかな対応)を目的に平成28年の道路法改正により創設された「道路協力団体制度」において指定されている団体。
地域住民や企業と行政の協働により、「道の担う役割の復古・再生」「地域の資産の活用」「新たな、多様な価値の創造」「使われ方の負の遺産の清算等」を目的として、文化、風景等をテーマに地域コミュニティの再生を目指し、美しい街道空間の形成を目指す取組み。
・ボランティアサポートプログラム団体
地域住民等、協力者(市町村)、道路管理者の3者が協力して道路の清掃、緑化、美化等の活動を行い、道を慈しむ心を育て、地域にふさわしい道づくりを進めることを目的として実施されている道路美化・清掃プログラム。
②地域と連携した維持管理(2020東京オリンピック・パラリンピックに向けた高木剪定)
オリパラ大会は7月から9月の暑さが厳しい時期に開催されるため、道路空間の温度低減に効果的である緑陰形成を積極的に実施。既存の街路樹について、十分な樹冠が確保できるよう、樹種ごとの特徴を踏まえて剪定の方法やタイミングについて工夫。
※剪定サイクルが長い樹種において、剪定サイクル・剪定量の調整を実施することで温度低減をはかる施策ですね。イベント時期に合わせて調整する工夫(施策)
③ICT・AI技術等を活用した維持管理(地震時の被害発生予測分析と緊急時巡回の見直し)
地震発生時(震度4以上)には、30分以内に地震波分析を行い、過去の被害実績から構造物の被害を予測し、関係者に自動送信するシステムを構築。こうした技術も活用することで、最大震度4の地震発生時の緊急巡回を見直し、試行。
※従来は最大震度4発生後、ただちに緊急点検実施 → 平常時の通常巡回で点検 に緩和できる施策
④ICT・AI技術等を活用した取組事例(道路巡回支援システム:中部地整)
道路巡回業務の高度化・効率化を図るため「道路巡回支援システム」を整備局等で導入。現地ではタブレット端末にて、道路異状の状況(位置座標、写真、音声)を記録。登録した情報は事務所のPC端末上で共有、必要な様式を自動作成可能。
⑤ICT・AI技術等を活用した取組事例( InfraPatrol (インフラパトロール): 首都高速道路(株))
パトロールカーに搭載したカメラシステムで全走行映像(FHD)を位置と時刻情報とともに記録。損傷発見時には、緊急通報システムによりリアルタイム映像を事務所・メンテ会社等と共有 → 日常から災害時まで、道路巡回業務を効率化・高度化できる支援システムを構築。
⑥ICT・AI技術等を活用した取組事例( InfraDoctor(インフラドクター) : 首都高速道路(株))
GISと3次元点群データを活用したシステムで維持管理の生産性を大幅に向上。管理する情報に応じたGIS(2次元)と点群(3次元)の使い分けの環境を整備したシステムを構築。
⑦ICT・AI技術等を活用した取組事例(Smart Maintenance Highway プロジェクト:NEXCO東日本)
ICTや機械化の導入で維持管理業務プロセスを変革、生産性を向上させ資産の機能維持と長期健全性を最適なコストで実現することを目指すプロジェクト。情報基盤である次世代型RIMSの活用により点検から補修に至るインフラ管理サイクルの業務フローを改善し、各組織階層の意思決定プロセスを標準化。
※RIMS: Road Maintenance Information Management System
⑧ICT・AI技術等を活用した取組事例(交通障害自動検知システム:近畿地整)
集中的な大雪時に立ち往生発生の有無を自動的に検知するため、AI技術を活用した「交通障害自動検知
システム」を構築。過去に立ち往生の起こった箇所付近のCCTVカメラ10箇所に試行的に導入。
⑨ICT・AI技術等を活用した取組事例(除雪作業の装置の自動化:北陸地整)
オペレータ不足に対応するため、多岐にわたる除雪作業装置を自動化し、人間は走行操作するだけを目指す。 最終開発目標は「完全自動運転(無人化)」。
⑩ICT・AI技術等を活用した取組事例(IoT・機械学習を用いた舗装損傷の自動抽出:千葉市)
ダッシュボードに搭載したスマートフォンで撮影した画像と、道路管理者による損傷判定結果を教師データとする機械学習により、画像から路面の損傷種別と損傷範囲を自動分類。ちばレポをベースに、機械学習、IoT 等の機能を組み込んだ次世代型の市民協働プラットフォーム「My City Report」を開発、他の自治体も参画。
<論文での活用>
維持管理問題が出題された場合の解決策(施策)として理解しておくと高評価論文が記述できるかと思います。
特に選択問題Ⅲのリスクの対応策として活用できそうです。
リスクが「コスト」や「人手不足」などのときに、これらの施策で解決できるかと思います。
出題される話題によって使い分けができるよう訓練しておきましょう。
少しでも参考になったのであれば幸いです。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。