スマート技術員(技術士第二次試験受験者を応援)

建設部門(道路科目)を中心に情報提供しています。筆記試験対策も行っています。

【A評価論文 令和4年度 必須科目 Ⅰ-1】

【Aさま】からA評価論文をご提供していただきました。

受験生の方はぜひ参考にしてください。

 

( 1) 課題

( 1) -1. 点検基準の整備

 建設後50年経つインフラが今後も増えてくため効率的なインフラ管理が必要となる。インフラの管理、更新などにはDXを使った基準については整備してきているが、点検についてはDXを使った基準の整備がされていない。ドローンなどの新技術を使った点検手法をいかにして推進していくかが重要となる。

 したがって、インフラの点検の観点から、点検基準の整備が課題となる。

( 1) -2. 手続きのDX

 各種社会資本の整備における手続き(占用許可、道路使用許可、工事許可など)は紙書類で行い、また紙書類を提出する出先まで届けて提出する必要がある。各種手続きをいつでも、どこでもオンラインで申請出来ることにより、効率的なDX化となるため、いかにして手続きのDX化を行えるかが重要となる。

 したがって、各種申請の効率化の観点から、手続きのDX化が課題となる。

( 1) -3. 建設事業各段階のDX

 建設事業の各段階では調査、検討、設計、施工と各種段階にておいて、色々な関係者が携わり、色々な図面が作成される。各段階において決まったデータが無く一元的に管理できていないため、各種段階において得た情報をいかにして一元的にデータ化し、共有しま

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とめることが重要となる。

 したがって、建設事業の効率化の観点から、建設事業各段階のDX化が課題となる。

( 2) 最も重要と考える課題と解決策

 最も重要と考える課題は( 1) -3建設事業各段階におけるDX化と考える。建設事業各段階における一つ一つの各段階で効率化が進むと、各種作業の手戻りが無くなり、少ない労働時間での生産性向上につながるため重要となる。

( 2) -1. BIM/CIMの活用

 調査、計画段階から紙図面による管理をBIM/CIMなどの3Dを使ったデータにて管理する。調査、計画段階から3Dデータを活用することにより、設計、施工段階での視覚的な理解が進むため、設計図の再作図などが無くなる。BIM/CIMを実物に近いデジタル情報を用い業務効率化することが必要となる。

( 2) -2. 遠隔操作

 現場に行く手間を省くため建設機械を遠隔操作にて操作する。建設機械を遠隔操作することにより、現場への移動時間を無くすことが可能となる。また、橋梁の高架下などの人が立ち入りにくい箇所での調査時にドローンなどを使うことにより、DX作業の効率化が進むこととなる。

( 2) -3. 建設キャリアシステムの活用

 建設キャリアアップシステムは技能者の資格や現場

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での就業履歴などを登録・蓄積し、技能・経験が自動的に更新される。技能レベルを自動的に更新されることにより、新規現場へ入場するさい、改めて履歴書などを作成する手間が省けるため、作業の効率化が進むこととなる。

( 3) . 波及効果と懸念事項への対応策

 上記解決策を実行した際、新たに生じる波及効果は、各事業段階において作業の効率化が進むことにより、作業の効率化が進み、給与の増加となる。

 懸念事項はDX化の業務は若い世代に比較的スムーズに取り込むことが可能となるが、それ以外の世代は取り込むことまでに時間が掛かる。その対応策は、DXの作業を早期に取り込むために各種勉強会や講習会への参加などし、自己研鑽に励むことが重要となる。

(4) ―1. 技術者論理の観点からの要件・留意点

 技術者としての要件は、公衆の安全、健康及び福利を最優先にすることである。留意点は、業務が住民の生活に直接影響するため、特定の住民に利益及び不利益を偏らないようにすることが重要となる。

( 4) ―2. 社会の持続性の観点からの要件、留意点

 技術者としての要件は、地球環境の保全など、将来世代にわたる社会の持続可能性の確保に努めることである。留意点は、業務を遂行するに当たり、遠隔操作などにより、環境破壊が進まないようにすることである。                以上

 

※コメント

 

多面的な視点で課題が記述できていますし、解決策も明確に記述されています。

文字バランスもしっかりしていますし、非常に読みやすい論文に仕上がっています。

解決策の遠隔操作は災害時の話題、立会検査などの話題が欲しかったですね。

建設キャリアアップシステムは「建設事業各段階のDX化」とは少し違う印象です。

その点を改善すると高得点になるでしょう。