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【平成30年度 技術士第二次試験問題 建設部門 道路科目 Ⅲ-2】について考える【模範解答イメージあり】

技術士第二次試験 建設部門 道路科目 を受験する受験生を応援するために過去問のポイントを見ていきます。

 

 

問題文

 

 普段雪が少なく雪に慣れていない地域における大雪や、積雪地域であっても数十年に一度の集中的かつ継続的な降雪により、幹線道路における大規模な車両の滞留と長時間にわたる通行止めが毎年のように発生している。道路に携わる技術者として、以下の問いに答えよ。

(1)高架構造が多い都市高速道路では、積雪に伴う通行止めが長時間となる場合があるが、その原因について多面的に述べよ。

(2)高速道路と並行する幹線道路の山間部では、大雪時、大型車の立ち往生を契機に大規模な車両滞留が発生する場合があるが、その原因を2つ挙げるとともに、具体的な対策を述べよ。

(3)(2)で述べた対策を実施するに当たっての課題と、実効性を高めるための方策について述べよ。 

   

問題文把握

 

まずはしっかり問題文を読み込み、何を解答しなくてはいけないのかを把握しましょう。

今回の場合は、問題文に沿って答えることになりますので、

 

1.原因(多面的に)

2.原因2つ、対策

3.課題と方策

の3つの項目に分類されるかと思います。

(この問題文には「キーワード」として「高架構造」「都市高速道路」「多面的」「高速道路と並行する幹線道路の山間部」「実効性を高める」が挙げられますので、キーワードを意識して解答を考える必要があります。)

上記を無視した解答は仮に内容が優れていても、大きく減点されますのでご注意を。 

  

論文構成としては 

 

1.原因

(1)〇〇〇

(2)〇〇〇

(3)・・・(個数の指定なし)

2.原因と対策

(1)原因

①〇〇〇

②〇〇〇(必ず2つ、1つでも3つ以上でも減点)

(2)対策(個数の指定はないが、原因が2つなので対策も2つ)

①〇〇〇

②〇〇〇

3.課題と方策

(1)課題

①〇〇〇

②〇〇〇(個数の指定はないが、2.原因と対策が2つなので課題も2つ)

(2)方策

①〇〇〇

②〇〇〇(個数の指定はないが、(1)課題が2つなので方策も2つ)

  

 のような構成が一般的となります。

アンダーラインの有無や①でなく(a)のような表記でも問題ありません。 

  

記述内容

記述内容の例を簡単に記載しますと(詳細は省略します)

(※あくまでも例であって、これが完璧という訳ではありませんのでご注意を)

 

1.原因

(1)路肩構造

 建設費用が高価である高架構造では、費用削減で路肩が狭く設計されることが多い。そのため、雪を寄せる堆雪幅が小さく、大雪が降ると、堆雪量がすぐに限界に達してしまい通行止めとなってしまう。通行止めを解消させるためにはダンプトラックで排雪場所まですべて運搬しなくてはならないため、通行止めが長時間となる。

(2)路面凍結

 高架構造の特性として、冷却作用により路面の積雪が凍結しやすいことに加え、都市高速道路ではスノーポールなどが無いため、車両走行時の視認性確保のために区画線が確認できるレベルまでの除排雪が必要となる。そのため、通行止めが長時間となる。

(※下記は高架構造とは関係ないと思われますが参考として)

(3)除雪体制

 普段雪が少なく多くの道路利用者が雪に不慣れな地域では、路面の積雪を完全に排除しないと通行ができない。

(4)チェーン未装着

都市高速道路では、冬期でもチェーン未装着の大型車が通行。大雪時は立ち往生し、長期通行止めの原因となる。

2.原因と対策

(1)原因

①縦断勾配

 高速道路と並行する幹線道路の山間部では縦断勾配がきつく、大雪時、大型車の立ち往生が発生しやすい

②高速道路の早期通行止め

大雪時、高速道路の早期の通行止めに伴い、並行する幹線道路に車両が流れ込むことによって、大規模な滞留に繋がる

(※その他候補として)

・高速料金が高く払えないので、並行する幹線道路に交通が集中する。

(2)対策

①交通監視カメラの設置

 過去に立ち往生が発生した箇所などのリスク箇所へ交通監視カメラを設置(増設)

 カメラ画像により早期通行止めの判断材料を増加

②4車線化

 過去に大雪で通行止めが発生した暫定2車区間の高速道路や並行する幹線道路を4車線化(多車線化)することで、交通容量を確保するとともにネットワークを強化し通行止めが発生しないようにする

(※②のその他解答として)

・道路管理者間で通行止め区間やタイミングを調整することで大規模滞留を防止する

3.課題と方策

(1)課題

①ドライバーに情報が伝わらない

走行中の利用ドライバーに交通監視カメラの情報が迅速に伝わらず無理に通行し立ち往生する

②優先順位

 対象となる路線が多く存在し、どこから整備してよいか判断できない

(※②のその他解答として)

・立ち往生車両やドライバー不在の放置車両を道路管理者が排除できない

(2)方策

①道路利用者に確実に伝わる仕組みつくり

気象庁と連携した情報提供方法

多様な情報提供手法(Lアラートによる情報提供など)

(※①のその他追加情報として)

・きめ細かな予測情報の提供、降雪予測の精度向上に向けた技術開発を進める

リスクアセスメント

〇〇〇(省略)

(※方策として挙げられるその他候補として)

・道路管理者間の協力体制等の構築

・道路ネットワーク機能への影響の最小化

・タイムライン(段階的な行動計画)作成 

  

まとめ

 

1番大事なことは問題文をしっかり読み込み、聞かれていることをしっかり把握することです。問題の題意からズレてしまっては、どんなに立派な知識を論じても点数につながりません。問題文を理解するのに時間を費やすことも必要です。また、指定文字数を超えると「失格」になりますので、それだけは絶対に避けてください。

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